烈火 8 ページ34
確かに言われたとおり少し小さいし、きつい。ボタンが閉まらない。
モノクロの体に合わせたサイズだから仕方ないが、傍から見たら少々間抜けな格好になってしまっている。
「で、えっと。これ着てどうなるの?」
「自動回復、回復速度上昇、移動速度上昇、防御力上昇、攻撃力上昇、ダメージ軽減、催眠耐性、毒耐性、火炎耐性」
呪文のようにつらつらとモノクロが言う。
出てくる言葉はゲームやファンタジー系の作品で聞くような言葉ばかり。
「え、何それ?」
「そいつを着てると、今言った効果が得られる。だからアイツの炎くらいなら平気だ」
「は?」
つい口から出てしまった。
先程モノクロが言っていたやつが、まぁほとんどよく分からなかったけど、これを着ただけで得られる? え、すごくない?
火炎耐性とやらがついていたからレフトの炎を食らっても平気だったのか。
「何? これもモノクロの能力なの?」
「いや、違う。俺のじゃない」
じゃあ別の悪魔? あ、一人思い当たる節がある。
「この前話してた知り合い?」
「まぁ、そうだ。アイツに勝手に改造されたんだ」
「へぇ、勝手に、ねぇ……」
「さっきの効果も聞いてないのにベラベラ喋った。火炎耐性以外確認してないがな」
あ、そう言われるとちょっと怖くなってきたけど、ここはモノクロの知り合いを信じよう。
ってか勝手に改造されたやつをいつも着てるってモノクロ凄いな。信用してるのかな?
なんてことを考えていると、モノクロがわざとらしく咳払いをしたあと話し始めた。
「とにかく、お前はそいつを着てアイツと戦え。少しでもお前が死ぬ確率を下げられるからな」
「う、うん。分かった」
「よし。まずは、そうだな悪魔の殺し方だ。お前は知ってるか?」
悪魔の殺し方。姉ちゃんから聞いたことはないし、殺したことがないから分からない。
「知らない」
「まぁそうだろうな。いいか、悪魔は人間と違って弱点をつかれない限り死なない。弱点、それは心臓だ。たとえ腕がもげても、半身が千切れようと、頭が吹き飛ぼうと、心臓さえ無事なら時間はかかるが必ず再生し、死ぬことはない」
モノクロは自分の心臓のあたりを指さしながらそう言った後、俺の心臓のあたりを指さした。
「俺も、お前も、アイツもそうだ。どの悪魔も心臓を破壊されたら最期、おしまいだ」
「じゃあ戦うときは、心臓を狙うの?」
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時