烈火 3 ページ29
「え？ もう行くの？」
少し早足でモノクロを追いかける。
「あぁ、買い物に来ただけだからな。いいか、今みたいに人間のふりした悪魔に騙されるな」
「あ、うん。わかった」
「じゃあな。遅くても夜の11時半までには戻ってこいよ」
そう言ってモノクロは急に細い道へと入って行ってしまった。
俺は立ち止まり、小さくなっていくモノクロの背中を見送る。
30人目くらいから、モノクロとは別で1人で行動することが多くなった。
ある程度強くなってきて、モノクロの助けを借りることが少なくなったからっていうのと、モノクロにお前だけで行ってこいと家を追い出されることが多くなったから。
でも本当に危なくなったとき、モノクロはどこからともなく現れて助けてくれるからまぁ、安心っちゃ安心ではある。
さてこれからどうするか。
誰かいい人間はいないかと、辺りを見回すがどの人間も何人かで行動しているので声をかけづらいし、かけたとしてもうまく誘い出すことはできないだろう。
それに囲まれて攻撃されたらまずい。
そうして色々考えながら歩いている内に、かなり時間が経ち日も沈みかけていた。
このくらいの時間になると、一人で歩く人間が増えてくるが、帰りを急ぐ人間がほとんどなので相手にすらされない。
何となくで、何往復もした大通りを少し外れて住宅街の方へと足を進めた。
港が近くにあるので風に乗って潮の匂いがしてくる。
しばらく行くと小さな公園がそこにあった。
遊具は滑り台しか置いていないような、人の気配のない寂しい公園。
通りすぎようとしたとき、滑り台の影に人がいるのを見つけた。
身に纏っている服や、髪の色からすぐにあの少女だと分かった。
執事から逃げて、こんなところにいたのか。
今なら人の目もない、殺せる。
自分で用意した折り畳み式のポケットナイフを取り出し、音を立てないように気配を殺して少女に近寄る。
すると少女が急にこちらを向いた。
「お兄さん、私に何の用？」
「え？ ……えっと、君みたいな女の子が、こんなところに1人でどうしたのかな？ って思ってさ」
幸い、薄暗かったので手に持ったナイフには気がついていないらしい。
「……迷っちゃったの。こっちの方には始めて来たから」
「あー、そう。迷子なら一緒に警察まで行こうか？」
そう言うと、少女は首を横に振った。
「だめ」
「どうして？」
「だめなの。だってお兄さん、悪魔でしょ？」
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (
レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張って下さい！ (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー！ (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ！(？)どうも！はじめまして！読ませて頂きましたが、すんごく面白いです！頑張って下さい！応援してます！ (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました！！ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2020年11月2日 14時
