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烈火 5 ページ31

速いし、大きい、これは避けられる気がしない。駄目だ当たる。

 その時、目の前まで迫った火球を黒い大きな手が弾いた。

 弾かれた火球は近くのコンテナにぶつかり、派手な爆発音と共に炎は煙のように消えた。

 しかし、火球がぶつかった場所は大きく壊れ、真っ黒に焦げていた。

「うわぁ……」

 これをもろに食らってしまったらひとたまりもなかっただろう、もし当たっていたらと思うとぞっとした。

「何ボサッとしてるんだ? 死ぬとこだったぞ、俺に余計な手間をかけさせるな」

 いつの間にか俺の後ろにいたモノクロが不機嫌そうに言う。

 火球を弾いた黒い大きな手はモノクロの足元の影にするすると吸い込まれるようにして消えていった。

「あのガキ、ただのガキじゃない。あいつか親か知らないが悪魔と契約してるぞ」

「え、悪魔?」

 キィキィ。

 カラン。

 金属が擦れるような音がした。

 少女の後ろがぼんやりと明るくなり、そして暗闇からカツカツと靴音を響かせて、丈の長いスーツを着た悪魔が現れた。

 カランカランという音は、首から頭の代わりに生えた、黒い半円形の支柱の先にぶら下がったランタンからするものだった。

 どうやら赤い炎が灯ったランタンがそいつの頭らしい。

 支柱にくくりつけられたタグには「612」と書かれているのが見えた。

 順位は低い方だが、俺よりは強い。

「レフト!」

 少女は嬉しそうにそいつの名を呼んだ。

「はい、お嬢様、私はここにおりますよ」

 聞き覚えのある声……、あの執事だ。

「良かった……。怖かったよぉ……」

 少女はレフトと呼ばれた悪魔に走りより、思いきり抱きついた。

「それはそれは、とても恐ろしかったでしょう……。でももう大丈夫ですよ、私が来ましたから」

「ごめんなさい、レフト。私がレッスンをさぼろうとしたから……」

「気にしないでください。私こそ、あのとき嫌がるお嬢様を無理やり連れていこうとしなければ良かったのです」

「レフトぉ……」

「アリアお嬢様……」

 レフトはその少女の頭を愛しそうに優しく撫でた後、こちらを向いた。

「あなた達は何ですか? 一体何が目的でお嬢様を……」

「あ? 簡単だよ、こいつを強くするためさ」

 モノクロが答える。

「強くなるために、そのガキの魂をいただくのさ。なぁ、そうだったんだろ?」

「え、うん 。まぁ、そのつもりだったよ」

 そう言った瞬間、レフトの頭の炎がより強く、青く燃え上がった。

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- ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時

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