実践 14 ページ22
光り輝く魂を掴んで、飲み込む。
疲労感が一瞬で消え、さらに力が増したような気がする。
「よく、やったじゃないか」
声が聞こえた瞬間、俺の体は見えない力に引っ張られてモノクロの前へと強制的に移動させられた。
モノクロが座っていた黒いソファーから立ち上がると影で出来ていたそのソファーと窓やドアを押さえていた黒い手、俺の持っていたナイフが溶けるようにして消え、なくなった。
「これで二人分魂を取り込んだわけだが、気分はどうだ?」
二人の魂を取り込んだことで以前よりも強くなったような?
疲れもなくなったし、能力がちょっとだけパワーアップしたし、結構良い感じかもしれない。
もしかしたら、順位が上がっているかもしれない。そう思えるくらいに力が増したような気がする。
「気分は……、えっと、良い? かな。強くなった気がする」
「そうか、良かったな。まぁ、順位は全く変わってないけどな」
「え?」
左耳につけたタグを見る。
確かにモノクロの言うとおり、順位は全く変わっていなかった。
「……ホントだ」
「二人じゃまだ足りない。もっとだ、もっと人間を食わなきゃ、順位をあげるのは難しい」
「それって……、あー、そのためには、またあんな風に人間を誘ってこういうとこに連れ込んで殺さなくちゃいけないってこと、だよね」
「あぁ、そういうことになる。とにかく人間を殺して、魂を取り込んで、1ヶ月以内に順位を1、いや3つは上げたい。お前は元が強くないから、そうだな最低でも50……60人くらいか」
「は? そんなに?」
60人。数だけみたらそんなに多い人数ではない。でも、殺す人数だと考えるとかなり多い。
それほどの数、いやそれ以上、何百、何千と人間を殺して魂を取り込まないと強くなれないんだろう。
目の前の悪魔は一体何人の人間を……。
「そうすれば他の悪魔の魂を取り込んでも問題はなくなるから、3つ順位が上がったら人間も食いつつ悪魔をメインに食っていきたい。分かったな」
「あ、あぁ。うん、分かってる。けど……」
「けど? 何だ?」
「俺に出来るかな?」
呆れたような顔。
「出来るかな? じゃない、やれ。やらなきゃお前死ぬんだぞ? いいか、お前一人じゃ無理だから俺が手を貸す、そういう契約だろ。さっきみたいに獲物を誘い込んで閉じ込めたり、殺しに手を貸したり、命は守ってやるさ。でも、基本はお前がやるんだ」
「……分かった。やるよ」
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時