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実践 12 ページ20

「うあっ! うぅ……」

 ナイフは見事にリリアの背中、右側の真ん中辺りに刺さった。

「リリア!」

 ミヤが悲鳴に近い声で叫んだ。

 ナイフを引き抜く。リリアの体をミヤは支えようとしたがバランスを崩し、赤い血を流しながらリリアは倒れた。

「あ、嘘……。嫌、嫌よ。死にたくない……」

 そう言ってミヤはリリアを置いて走りだし、反対側の出入り口の方へと行き、先ほどと同じようにシャッターを叩き、外へ向かって叫びだした。

「ミヤ……、ミヤ……、たす、けて……」

 床を這いずり、苦しそうにリリアが言う。

 まだ生きているのに、置いていくなんて。

 モノクロの押し殺したような、楽しそうな笑い声が聞こえる。

 可哀想だけど、俺が生き残るためなんだ。

「……ごめんね」

 動けないように馬乗りになり、もう一度背中にナイフを突き刺す。

「ぐぅっ」

 ビクンと体を震わせリリアが声をあげる。

 それでもミヤはもう、こちらを気にしていないようで、ただ外にいるかもしれない誰かに向かって助けを求めているだけだった。

「う……うぅ……」

 まだ、生きている。

 ナイフを引き抜き、もう一度真っ赤に染まりつつある背中に突き刺す。

「あがっ」

 リリアは何もない空間に向かって手を伸ばし、助けを求めているようだった。

 もう一度。

 背中からナイフを引き抜いて、突き刺す。

「ぎっ」

 何回か同じ事を繰り返してやっと、リリアは完全に動かなくなった。

 やった。

 ついにやってしまった。

 すると、リリアの胸の辺りからビー玉ほどの大きさの白く光輝く玉のようなものが出てきてふわふわと体の周りを漂い始めた。

 これが、魂……。

 しばらくボーッと見ていると光が弱まり、薄くなり始めた。

「消えちまう前に早く食え」

 モノクロの声。

 言われた通り急いでそれを掴み、飲み込む。

 何とも言えない変な感じがして、見えないけど魂が自分の体に吸収されていくのが分かった。

 体の芯から力が湧いてくる。自分は強くなった、そんな感じがする。

「これが……、すごい……」

「おい、ボーッとするな。もう一人の女が逃げるぞ」

 モノクロにそう言われて、急いでミヤがいた方を見ると、いつの間にかわずかにシャッターが開いていた。

 そしてそこに体をねじ込み、廃工場から出ていこうとするミヤの下半身が見えた。

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- ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時

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