病気とは言わないで

爆弾魔の破壊衝動　２ ページ48

ものすごい閃光と破裂音。しかしそこまで威力の強いものではないらしい。

　威力が弱かったお陰で大事は避けられたが、衝撃で尻餅をついた。

　閃光の影響で前がよく見えないし、耳鳴りもかなり酷い。何も分からない、これは非常に不味い事態だ。

　早く逃げなければ。

　そうは思っても、この状況でうまく逃げられる気がしない。

　前には私に向かって爆弾を投げた人がいるし、後ろは行き止まり。どうしようもない。

　ぼんやりとこちらに近づいてく人影が見えた。

　まずい。こんなとき、どうしたらいいか分からない。

　耳鳴りも収まって、はっきり見えるようになったときには彼女は私の目の前に立っていた。

　多分私と同じくらいの年の女の子。

「キャハハハハ。新しい人でしょ？ とっても可愛いねぇ！」

　満面の笑み、といった感じで彼女が笑う。

「あたしねぇ、ハッパって言うの！ 葉っぱじゃないし、八羽でもない、八波だって違うわ！ あたしはハッパ！ 覚えておいてね」

　そう言いながら彼女、ハッパは肩にかけたポーチをごそごそと探っていた。

「うーんとね、あー。あった！」

　ハッパがポーチから取り出したのは、赤くて細長い円筒状の何か。片側の先の方にはさっき投げて寄越したものと同じような紐みたいなものがついていた。

　本やテレビなんかでしか見たことがないが、これはいわゆるダイナマイトというやつだろう。

「あたしねぇ、あなたのことが気に入っちゃった！」

　今度は上着のポケットを探り始めた。

「それでね、あなたのこと……」

　ポケットから出てきたのはピンク色で宝石みたいなものが沢山ついたライター。

「壊したくなっちゃったぁ」

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