嫌いでもいいよ。【mfmf】 (ページ8)

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目が覚めて時計を見れば、
昼の0:30。寝すぎた。

欠伸をしながら起き上がり、
制服に着替えて部屋を出る。

リビングには誰もいなかった。

スマホを見ると、
まふまふレコーディング行ってくるね。お昼はカップ麺です
と兄さんからメッセージが届いていた。

兄さんは料理が出来ないから
大体僕が作るか、食べに行くか、
こういうカップ麺とかが多い。

キッチンに「Aの」という
兄さんの字のメモが貼ってある
カップ麺が置いてあった。

寝起きだし欲しくない......。

メモを剥がし、捨てて
カップ麺を棚に戻す。

洗面所で髪を結んで、
まだ眠い頭で玄関に向かった。

学校着く頃には多分授業殆ど終わってるなぁ。

そう思いながら、
外に出て鍵をかけ、歩き出した。

僕は1度、高校を転校している。
中学の時の転校は仕方なかったけど、
高校のは、別にしなくて良かったと思ってる。

声が出ないのを帰宅途中にからかわれた。
それを兄さんが偶然見た。

それで、兄さんが
転校しようって言ってきた。

転校先の方が家から近かったし
まあいっか、と思って承諾した。

その転校先で、咲と出会った。
1個上の留年生って知ったの大分後だけど。

......中学でも
からかわれたことくらいあるのに。

本当心配性だよなぁ......。

「あれ。何してんの？」

ニット帽にパーカー。
いつも通りすぎる咲だ。

寧ろこっちが言いたい、
なんで平日に高校生が
私服で街うろついてんの。

咲の後ろには、不良っぽい男子が
十人くらいいる。怖い。

とりあえず答えるために
寝坊、と手帳に書いて見せた。

「あーね。お前もなかなかに不良だよな」

まあね、と思う。
実際学校行くのまちまちだし寝坊も多い。

留年しない程度だけどね。

「あっ、なあ、暇なら一緒に来ねぇ？俺ら今からちょっと喧嘩すんだわ」

いや、だから学校行くんだって。
ていうか喧嘩とか絶対御免だ。

いくらなんでも、
暴力沙汰は無関係でいたい。
殴られるとか無理。絶対痛い。

首を横に振る。

「ま、だよな。んじゃ学校がんば」

軽く頷いて、咲と
その他諸々の皆さんの横を通り過ぎた。

全員見事に髪染めてるなぁ......。
僕は一応染めてない。
さすがに兄さんが黙ってなさそうだし。

兄さんは染めてるのになぁ。
あ、既に黙ってないか、そういえば。

髪を切らないのは、
短いと落ち着かないからだ。

それに、似合わないし......。