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学校に着いたら、
5時限目が丁度終わったところだった。


教室に入る。
一瞬静まり、すぐ元に戻る。


机の上にはいつものように花瓶が置いてある。
花なんて生けられていない。


嫌がらせなんて、
どこの学校にだってある。


「......」


これ見たら、兄さんなんて言うかな。
......また転校? まさか。

引き取ってもらった身分で
そこまで迷惑かけられるか。


花瓶には丁寧なことに水だけ入っている。
誰がやったのか、とか。知らない。

ただわかるのは、
止める人が1人もいないこと。
そして、誰も味方じゃないことくらい。



「声、出ないのって、罪ですか」



口パクでそう言った。
悔しい。......悔しい?
自分で勝手に声を消したのに。


まあいいか、どうせ。
どこに行ったってこうだ。
あと数年くらい耐えられる。



ふと、咲の顔が頭に浮かんだ。
ああ、いたんだった。唯一の僕の味方。
思ってるの、僕だけかもしれないけど。



「一生来なけりゃいいのに」



そんな声が聞こえた。
その声、そんなこと言うためにあるんなら。


僕にちょーだい。なんて。


留年したらさすがに兄さんが勘付くだろう。
まあ、咲のおかげで、
僕が不良になったようにも見えるだろうけど。


この花瓶の中に、きっと僕は
大事な何かを廃棄した。
捨てるくらいだ、
そんなに大事じゃなかったのかもしれない。


花瓶を持って、手洗場に行く。
横目に、僕の靴が見えた。
誰が持っていったかなんて見なかった。

見たくもない。


中の水を捨て、
端っこの方へ置いた。
どうせまた僕の元へ来るんだろう。


六時限目を何となく聞き流し、
帰る時間になったから靴を探しに行く。


この間捨ててあったところには無かった。
その前に捨ててあったところにも、
もう一つ前のところにも。


午後7時。そろそろ、
居残り生徒だって帰った時間だ。


残りといえば、屋上か。



屋上に行くと、放り投げたのか、
ばらばらに投げ出された僕の靴があった。


拾って、ため息を吐いた。
今から帰ったら、8時なんてとうに過ぎる。
そしたら兄さんがいつものように心配する。


罰ゲームか。これは。
なんの? わかんない。
でもそう思った方が幾らか楽だ。


ここから飛び降りてしまったら
両親に逢えるんだろう。
そうすればきっと。


きっと......?




......わかんないや。






がちゃり、屋上の扉を開けた。
もう二度と来たくない。

8→←6


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霊火@nightrainbow.クリスタ(プロフ) - 更新待ってます。 (2022年7月26日 16時) (レス) id: cbcf5b3031 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Re: x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2017年3月11日 3時

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