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『思い出したんだってな』

『そうなんです!』



そう言うと、よかったな、と頷いてくれる。

記憶が戻ったことを聞いたのか、坂田さんは見舞いに来てくれた。


今は病院の外の庭にある、四人がけのベンチの真ん中に二人で腰をかけている。



『坂田さんが教えてくれたように、私たち、たくさん色んなことを話したんです。

そーちゃんは明日私は明後日退院するんですよ

そうしたら一緒に映画を見に行くんです』



嬉しさが抑えきれないくらいに溢れてくるため、顔が自然と緩まる。

そんな私を笑う坂田さんは、優しい眼差しを向けていた



『坂田さんが笑うと、私安心します』

『俺が?』

『はい!』



「自分じゃ分かんねーなァ」と頭を掻きながら困ったように言う彼に、私も笑みが零れる



『……なら、Aも笑ってた方がいい』

『へ……?』


『最初の頃は泣き顔ばっかり見てたからな。
やっぱりお前は笑顔の方がいいよ』



言葉を理解すると、たちまち頬に熱が集まった。

私の顔が赤くなっているのか、坂田さんはくくっと喉の奥で笑う。


必死に話を逸らそうとすれば、口から大きな声が出た。



『と、とにかく!
坂田さん、いろいろとありがとうございました』

『おう。また何処か行こーぜ』


『もちろんです!
私、坂田さんと出掛けるの楽しくて好きです』

『俺も楽しかったよ』




それから坂田さんは帰るまで、色んな話をしてくれた。坂田さんの働く万事屋には他に従業員が二人おり、犬も一匹いるらしい


今度会わせると約束してくれ、二人で小指を絡める



そしてなんと、そーちゃんと同じで土方さんとは仲が悪いそうだ。

そーちゃんとにているところがあるから、坂田さんの隣は落ち着くのかな……




『そろそろ帰るよ。お前もゆっくり休め』


『はい、そうします。
では坂田さん、また今度』

『あァ』




焼けるような太陽のように微笑む貴方の笑顔は、やっぱり好きだ

私の顔が赤くなるのは、そんな彼の表情に焦がれているからなのかもしれない


でも、今はまだ、夕焼けのせい。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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白桜姫 - 続き見たい(´;ω;`) (2018年10月21日 3時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ひなさん» 引退ではなくお引越しにしました笑 あんまり意味は変わらないのですが、お引越しとした方がまたひなさんに会える気がするので! いつも本当にコメントありがとうございます。 これからもよろしくお願いします( ´ ∀`) (2017年12月25日 12時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ハルさんが引退するとの事なのでハルさんの作品を全て読もうと。感動しました…泣きましたね…泣きながら読んでました(T-T)番外篇も、楽しみに待っています。 (2017年11月11日 13時) (レス) id: 843e6f4730 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ドS娘さん» 前作でもコメントありがとうございます。 映画化ですか、これが……。いいですね、そんな妄想をしながら今夜は寝ようと思います。 読んでくださりありがとうございました。おやすみなさい (2017年7月5日 23時) (レス) id: 11a385a726 (このIDを非表示/違反報告)
ドS娘 - 感動してガチで泣きましたもう映画化して欲しいです! (2017年7月2日 10時) (レス) id: 8d85534e35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory  
作成日時:2015年12月10日 17時

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