生活水準 ページ12
「神楽ちゃん定春任せっきりにしないでよ」
と、私達が玄関口で揉めているともう一人少年が大きな犬を連れて慣れた様子で入って来た。大きな…本当に大きな犬である。
眼鏡を掛けた真面目そうな彼は私達の姿を見て「えっ!?」と目を丸くしている。
「銀さん…僕達が留守の間に女の人を連れ込むの止めて下さいよ…!」
「さっきから信用の欠片もねェよな俺って!」
銀さんは「変な勘違いしてんじゃねーぞ」と凄むと私の背中を押して二人の前に差し出した。
「良く見てみろ、どう見ても俺のタイプじゃねーだろ?」
「「確かに…」」
「酷くないですかね!?」
息の合う3人に私は「失礼な」と言葉をこぼす。銀さんはそんな私に「これが今一番誤魔化す最善だろーが」とこっそり耳打ちをした。
して、神楽ちゃんと呼ばれた彼女は私を見て「何でゴリラ集団のコスプレアルか?」目ざとく奥に脱いである隊服を見つけると頭に疑問符を浮かべる。この説明は何回目になるのだろうか。
「私は…真選組です」
「えぇ!?銀さん遂にやらかしちゃったんですか!?」
「どういう意味だコラ」
眼鏡の男の子はどうやら銀さんが私に逮捕されるとでも思ったらしい。何でこの人こんなに信用されてないんだろう…?もしかして銀さんも隊士の皆に負けず劣らずヤンチャなのだろうか。
「大丈夫です、私は銀さんを逮捕しに来た訳ではありません」
「え?じゃあ何故ここに…」
「雨で濡れてしまったので雨宿りと服を乾かさせて頂いていたところです」
「あぁ…成る程」
少年は納得したように頷くと「銀さんの周りの女性にしてはマトモなんですね」と非常に気になる事を言い残して居間へと消えて行った。
神楽ちゃんの方は「定春、ご飯アル」と犬にドッグフードを食べさせて銀さんの着物の裾をグイッと掴んだ。
「私もお腹空いたネ」
「今新八が作ってんだろ。もう少し我慢しろ」
「限界アル。ここのところマトモな物を食べた覚えがないネ」
「気の所為じゃね?」
…目の前で生活的且つかなり限界に近い会話が繰り広げられている。神楽ちゃんは本当にお腹が空いているらしく、銀さんはそれを適当に誤魔化そうとしており。
(何でも屋って儲からないのでしょうか)
それを見ていたら途端にこの3人の生活水準が気になってきてしまった。最後にちゃんとしたご飯を食べたのは一体いつなのだろうか…?
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lying doll(プロフ) - 佳菜子さん» お久しぶりです(`°ω°´)そんなそんな!勿体無いお褒めのお言葉光栄な限りです!これからもちょくちょく頑張っていくのでよろしくお願い申し上げます( ´ ▽ ` )ノ (2017年1月8日 14時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
佳菜子 - doIIさんお久しぶりです!続編おめでとうございます(*´∀`*) 文章などがとても綺麗で思わずこの物語に引き込まれてしまいます(*^^*) これからも無理しない程度に頑張ってください! (2017年1月8日 11時) (レス) id: 9f42f2c5eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月ヶ瀬ましろ | 作者ホームページ:http://twitter.com/hearty__smile
作成日時:2017年1月4日 13時