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あれからAは結と2人で同じ棟の配属になった。
他の棟は1人ずつ担当してるのだが、何故か2人になった事に疑問を持ったりもしたが
まあ、結となので気にしない事にする。
Aと結は小さい頃からの幼馴染で、お互いが片親と言うこともあり似た境遇ですぐに仲良くなった。
明るく甘え上手な結。
加えてその可愛らしい外見で昔から人気があった。
対してAはあまり感情を出さない大人しいタイプ。
ただ結に負けず劣らず、それ以上に整った容姿から高嶺の花的存在で敬遠されることもあったが、話すと気さくで気遣い屋でもあった。
そんなAだから、どちらかと言うとゆっくりと人間関係を築いていくのだが、いつも最終的に人が離れていく。
本人が何か言ったとか態度を変えたとかでは無い。
ただ自然に過ごしていて、ある日ふと違和感に気がつく。
その後はあっという間に、自分の周りから人がいなくなっていく。
Aにはそれが何でだか分からなかったが、自分のコミュニケーション下手を自覚しているため仕方無い事だと割り切っていた。
だがそれは一度だけではなく、環境が変わる度に続いた。
年齢が上がると共に言動や行動がエスカレートして、いつしか明からさまな嫌がらせに繋がっていった。
その度に結だけはAの味方でいてくれた。
結のおかげで救われた。
そんな事から、Aは結以外の他人と友好関係を築くことをしなくなったし、わざと人と距離を置くようにもなった。
正確には諦めたのだ。
だからそれ以降、Aにとって結と…………
幼い頃、父に教えてもらって始めたサッカーだけが心の拠り所であった。
勿論チームメイトですら関係が良好とは言えなかったが。
それでもAの抜群のテクニックとセンスは群を抜いているものであり、将来が有望視されていた。
ジュニアユースに所属していて、結もよく練習や試合を観に来てくれていた。
そこだけが唯一Aがキラキラと輝ける場所で、まるで別人のように本人も夢を追いかけていた。
それこそ
_________"きゃぁあああ！！"
_________��おい、人が落ちてきたぞ……！��
_________��誰か…！誰か救急車！！��
あの事故がおこるまでは_________
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作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
