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そして後半戦が始まる。
攻めるチームZ、我牙丸のスコーピオンが決まるかと思ったその瞬間
守備に入っていて斬鉄にクリアされてしまった。
すかさずこぼれ球を拾った潔だが、考えてる間にもボールを奪われてしまう。
『潔くんに必要なもの……』
「ねえA……」
考え込むAに、結が控えめに声をかけてきた。
Aが集中している事を理解しているため、結が試合中に話しかけてくる事はほとんど無い。
だからこそそれに驚いて結を見れば、真っ直ぐに試合を見つめていた。
「………今、どんな気持ち？」
『…………え？』
「こんなん見てたらさ、誰だって熱くなるじゃん。
でも、Aにとってはどうなのかなって。
楽しい、ワクワクする…………だけじゃ無いんじゃないかなって」
『それは________』
「��羨ましい��って思わない……？」
そう言う結は、少しだけいつもと雰囲気が違う。
「��悔しい��って、��妬ましい��って思わない？」
『思わないよ』
本当は、千切の足に嫉妬した事がある。
だけどそれはもう微塵も思ってない。
もしかしたら結は、Aにサッカーから離れて欲しいのかもしれない。
サッカーに携わればた携わるだけ、辛い思いをするんじゃないかと。
だから敢えてAはハッキリと否定する。
『もっと……見てたいって思う』
「………そっか」
お互いに前を向いたまま話せば、その表情はわからない。
だから結が、この時どんな顔で、どんな意図でそんな事を聞いてきたのかはわからなかった。
．
ピッという音と共に玲王にイエローカードが渡された。
すぐにボールは雷市から千切へと渡るが、すぐに斬鉄がそれを追う。
斬鉄の武器は、爆発的加速力。
スピードでは敵わなかった、が、千切には思い当たる節がある。
「おいおい誰もいないぞ？やけくそパスか？」
「俺へのな」
誰もいない場所へのパス
「俺の方が速えっつってんだろ」
グン、と走り出す斬鉄。
だが
「知ってるよバカメガネ…��初速��はな」
「………あ？」
10m以内の領域では斬鉄に分がある。
だったら
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作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
