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第伍号棟、最終戦
チームZ vs チームV
いよいよ始まる一次選考最後の試合を、Aは何よりも楽しみにしていた。
かたや勝っても負けても勝ち上がり確定
かたや勝たなければ敗退
無敗のチームVに対して、急成長を見せているチームZがどこまでくらいつけるか。
「ねえA」
先に着いて準備してくれてる結の元へ向かう途中、
そう呼ばれて振り返れば、そこにいたのは蜂楽だった。
いつもの雰囲気より幾分落ち着いて、真面目な顔でまっすぐにAを見てくる。
「俺、Aと会えなくなるのやだからさ、頑張るよ」
『……楽しみにしてる』
何故だか蜂楽から、その根源に孤独を感じてしまう。
それを恐れて、まるで何かに依存しているような。
それが何なのか分からないが、初めてそのプレーを見た時から
蜂楽が��
そんな彼は今回どんなプレーを見せてくれるのだろう。
蜂楽に向かって小さく頷けば、ニコリと笑った顔が返ってくる。
そして「ちゃんと見ててね♪」と、手を振って戻って行った。
「………A、アイツと仲良いの？」
去っていく蜂楽の背中を眺めていれば、突然肩に重みが加わる。
…………昨日よりは数倍マシだが。
『学ぼうか、凪くん』
「えーめんどくさーい」
「おーA、相変わらずだな」
凪に後ろから覆い被されている状態で、肩に腕を回してくる玲王。
どうなってんの。
『みきゃ……御影くん』
「また噛んでる、玲王でいいって」
『御影くん、重い、どけ』
「意地張んなよ。そーいや背中大丈夫だったか？」
ゲッソリとした顔で『大丈夫』と返せば、たまたま近くにいた千切がそれに気付いて二人を退けてくれた。
表情からして、多分足の事を気にしてくれてるんだろう。
「てか背中って………何されたんだよ？」
『まあ、ちょっと』
「俺じゃねぇ、凪がな」
「んー……我慢できなかった、ごめん」
「は？」
「なに」
『顔こわ』
「凪、言い方、な？」
明らかに眉間に皺を寄せる千切に、めんどくさそうな凪。
なんか険悪な雰囲気になってしまったので、早々に引き剥がして自分達のチームの元へ返した。
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作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
