32 ページ34
「ハッ、歪んだ顔も可愛いじゃん」
『性格悪』
こいつ絶対からかってるな？
明らかに笑いを押し殺してる玲王に、若干イラッとしつつも
早く解放されたいのでお口は閉じといた。
「てゆーか……玲王にそんな態度とる子も珍しいね」
「花咲とは真逆だなー」
何の事かわからずAが首を傾げる。
「御影コーポレーションって……知ってるでしょ」
『知らない』
「え」
「は」
『知らない』
凪の言い方はさも知ってて当たり前なような感じだ。
それにAが即答すれば、凪も玲王も鳩が豆鉄砲を食らったような顔をするので、もう一度念を押すように答えといた。
斬鉄だけは「お」と何かを期待するような声を上げる。
「安心しろ。俺も知らなかった」
『うん、だよね』
「マジでAって
『ねえ2回言った』
「めずらしー」
「つまりアレだな、朔夜と俺は数少ない少数派でマイノリティで………つまり希少だ」
『どういうこと？』
「同じ事何回も言ってるぞバカ斬鉄」
「つーかさ」と話題を変えるように玲王が言えば
ガシッとAの頭に手を置いて笑った。
「お前、面白いな」
『(………早く仕事に戻りたい…)』
.
��もしかして玲王くんって御影コーポレーションの？��
��え！すごい！さすがだね��
��でもそうやって努力できるのも凄いと思う！��
��そういうところ尊敬する��
初めて会った時に、玲王が結から言われた言葉。
天然の褒め上手…………簡単に言えばそんな印象だった。
媚を売るようなオーバーなリアクションというよりも、時には明るく笑ったり、落ち着いたトーンで話したり。
加えてそのルックスもあり、人の懐に入り込むのが上手い。
だが玲王からしてみると
「(………��お手本��って感じだな)」
それはまるで全て計算されているような、
こう言う相手にはこう言うと良い、こういう態度、話し方が良いとわかっているような
そういう風に見えていた。
だからなのか、余計にAという存在がまるで未知の生物の様に見えてしまう。
これだけの容姿を持ちながら、人と接するのが苦手。
かと思いきや、時々見せる底知れない欲と強い意志がある。
そんな初めての存在に、玲王は興味が湧いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
