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すでにハットトリックを決めた久遠はこのままいけばチームZの得点王。
1人だけ勝ち上がることが出来る。
現状12人対10人
チームZが圧倒的不利の中、さらにチームWが得点し、4-3で逆転されてしまう。
なんとも胸糞悪い展開になってしまった。
『このゴミが……』
無意識で吐き出た声が思ったよりも低くて、近くにいた成早が「ひっ」と声を上げた。
ちがうお前じゃない。
なんとか同点まで持っていきたいところだが、人数の不利は中々補えず……………
そして残された時間は
アディショナルタイム3分_________
一人暴走を始めた潔、だが彼からは強い執念のようなものを感じる。
それに呼応するように、全員が必死になって食らいついていく。
ボールをキープするのは潔。
だが國神や蜂楽を抑えられてしまい
��ゴールの匂い��がしない。
その時だった。
『………あ…』
動き出した、赤い髪。
_________潔の逆サイド
そこにはタッチラインギリギリを駆け上がる千切の姿があった。
その疾さに一瞬で目を奪われる。
前を通り過ぎる瞬間、一度だけ、目が合った気がした。
『行け』
体に自然と力が入る。
覚悟を決めたその姿を、しっかりと目に焼き付ける。
心配や不安、羨望、嫉妬、それ以上の期待を込めて。
_________これが、本来の千切豹馬……
その存在は、きっと潔には見えている。
だからこその、あのパス。
『ブチ抜け』
その足で_________
「行けぇ！！千切！」
潔の叫びと共にぐんと加速する。
まるで重い足枷が外れたかのように。
そのスピードには誰も追いつけない。
「止めろぉぉぉ！！！！」
ついに千切の前にはGK1人。
一対一
そして__________________
ダンッと地面に足をつく音。
「うおらぁ！！！」
_________第七試合、試合終了
4-4
千切のゴールが、チームZを生き残らせた。
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作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
