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「！？」
「なんでいるんだ……」
そこにいたのは潔だ。
「いけ……」
「決めろ……」
『！！』
潔のシュートが決まったその瞬間、Aは大きく目を見開いた。
一瞬、息が止まる。
鼓動が早まる。
気持ちが、高揚する………そんなゴール。
「うぉおおお！！潔ぃぃぃい！！」
雄叫びを上げながら潔に集まるチームメイト。
その時、試合終了のホイッスルが鳴った。
2-1
チームZの勝利だ。
拳を握り、喜び合う者達がいれば
地面にひれ伏せ、絶望する者達がいる。
『お疲れ様、潔くん』
二子の前に立ち、ただ黙ったまま見下ろしている潔の背中に
トン、と軽く拳をぶつけた。
「A……」
『(…………あ…)』
振り返った潔は、今までに見たことのない顔をしてた。
それに何かを悟ったAは、ニッと笑ってその潔の頭にタオルを被せる。
そしてドリンクを押し付けた。
『最高にエゴい顔してる』
．
試合が終わった直後、Aが自ら潔に向かっていくのを
結はじっと眺めていた。
「A………楽しそう…」
あんなにも他人との関わりを避けていたAが、進んで関わりに行くほどに………
あの最後のゴールが、彼が、Aを惹きつけた。
その時のAの様子を結は横目で見ていた。
それはまるで、サッカーをしていた時のような瞳の輝き。
浅い呼吸。
見ただけでわかる、昂り。
黙ったままのAだったが、それは一目瞭然で
長いこと見ていなかったその顔を、久しぶりに見た。
「(……あーあ)」
空に向かい喜ぶ者も、地面に向かい泣く者も
この��
結にとってみれば、
「(つまんな……)」
そう心の中で吐き捨てながら、笑顔を浮かべた。
．
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作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
