あの日手放したものをもう一度【ブルーロック】 (ページ11)

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「＂青い監獄(ブルーロック)＂一次選考は同棟内5チームによる総当たりグループリーグマッチだ」

勝ち点上位2チームが勝ち残り

下位3チームは敗退、強制退場

ただし、敗れたチームでもチーム内得点王一人、計3人は勝ち上がれるシステムだ。

Aたちマネージャー陣はあらかじめその説明を聞いていた為、特に召集される事はなく

とりあえずやる事全部終わらせたAは自室に戻ってきていた。

『…名前覚えなくて良いのに』

ボフ、と枕に顔を埋める。

『ホントそういうのやめて欲しい』

どうせまた繰り返す。

今までのように。

それは自分が一番よくわかってる。

何も変われてないってことに。

『結……』

ほら、こうしてまた縋ってしまう。

弱い自分を認めてるようなもんだ。

人と接するのが怖い。

だからどうか踏み込まないでほしい。

そして嫌いにならないで欲しい。

そんな矛盾した考えが、ぐるぐると巡る。

でも大丈夫。

やることは変わらない。

『………………よし』

落ち着け。

落ち着け。

『大丈夫』

ぎゅっと枕を抱いてごろんと仰向けになる。

そして横目で時計を確認した。

第一試合は2時間後_________

チームX vs チームZだ。

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「A、なんかあった？」

顔を合わせれば第一声にそれ。

『なんで？』と返せば「いつもより仏頂面だから」と言う。

『ぶっちょ……』

「なんてね♪大体Aがそんな顔してるのって誰かに絡まれた後だからさ〜」

そんな時は決まって誰だか聞かれる。

そして次その人と会う時はいつもさり気なくフォローしてくれてたりする。

でも本当は結にあまり心配をかけさせたくないし、気を使われすぎるのも申し訳ない。

それに慣れない環境で慣れない仕事を頑張ってる結の負担にはなりたくなかった。

だから『寝不足かな』とはぐらかせば、「ふうん」と言う相槌。

ちらりと見えた結の顔は無表情だった。

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