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調子が狂う ページ15

【Aside】


明くる日、ミーンミーンと毎年同じ鳴き声を聴かせてくれる蝉に、


(よくやってられるなぁ……)


ぼそり、胸中で呟いた。


いや、だってよくよく考えると、可笑しいじゃないか。


給料も貰えないのに、毎日毎日、同じことをぐるぐる死ぬまで無限ループ。


面白くないこと極まりない……

ある意味では、尊敬すら湧いてくる。


別に、お金が全てとは言わないけれど、利益が無いことをしてもあまり意味が無いんじゃないか。


そういう所でも私は、夏が嫌いなんだ。



………それに、夏は……






フラッシュバックした記憶に、ぶんぶんと、振り払う様に首を振る。


「……何してんだ、…てめェ」

「………土方、さん」


少しばかり、らしくない過去を思い出していた為か、反応に遅れた。


けれど、折角私の面白いランキングNo.1に君臨する本人に会えたのだから、


「……どうしたんですか、……あっ、まさかサボり?」


あまり機能していない頭を、無理矢理動かして言葉を紡ぐ。


こうでもしていないと、平常心を保てなくなりそうで。


「……んな訳ねェだろ。どっかのドS皇子じゃねェんだ、俺ァ。…………何かあったか」

「…………。何も、無いですよ」


様子が可笑しいのは、一目瞭然。勿論、土方さんがそれに気がつかない訳がなく、質問されたものの、何とかかわす。


嘘をついたことへの罪悪感からだろうか、思わず顔を逸らす。


……何やってるんだ、私。中坊も顔負けの嘘のつき方やって、どうするんだ。


そんな私の胸中での葛藤を知ってか、知らずか、彼は。


「……何があったかは知らねェが、……無理すんなよ」


くしゃり、と優しく撫でられた頭。


去っていく土方さんの背中を見詰めながら、


(……何、アレ)


………きゅ、と締め付けられた胸に、調子を狂わされたのだった。



儚く、揺らめく→←その選択はお先真っ暗



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暇愛*(プロフ) - 狗冰さん» ごめんなさい、レス押すのを忘れてました…… (2019年7月15日 13時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
暇愛*(プロフ) - ありがとうございます!稚拙な作品ですが、よろしくお願いします! (2019年7月14日 20時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
狗冰(プロフ) - 面白そうです!更新ファイト! (2019年7月14日 19時) (レス) id: aa5a4ed97b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暇愛* | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年6月11日 2時

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