【銀魂】面白いに一味を【土方十四郎】

どこぞの天パ ページ10

【Aside】


「っ、あー、面白かったー」


しばらくして、やっと笑いが収まった今。『前髪のセットに失敗した人』のお陰で、目尻には、涙すら浮かんでいる。


「……テメェ、笑いすぎなんだよ。……覚えとけよ」


……“覚えとけよ”なんて負け犬の遠吠えのようなものを言う彼のこめかみには、うっすらと青筋が浮かび上がっている。


ザ・苛ついてます、と言わんばかりの顔。……きっと、こういう人の顔を悪人面って言うんだ。おお怖い。


「おー、怖い怖い。そんなんじゃ、彼女出来ませんよ」

「かんっぜんに、てめェの所為だろーが！！」


……え、私？

知らないなー、そんなこと。ウン。


(……今、すごく、楽しいな)


本当に、この人は面白いとつくづく思う。


私との相性バッチシだし、面白いし、相棒に欲しいなぁ、と満更でもない気持ちにストップを掛けて、


「……じゃあ、今日はこれで」


どこぞの天パの様に右手を宙に泳がせ、振り返らずに、

ちなみに言うと、雑巾片手に。


「………ふぅ」


煙草の煙を吐いたであろうその人の声(？)的なものを背中に受けながらその場から立ち去った、初夏に入りかけた梅雨のこと。



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