約束と瞬間 ページ22
【Aside】
じっと、沈黙を耐える。それは、一瞬にも思えたし、永くも思えた、複雑な時間だった。
けれど、彼は、私の複雑な心境を裏切るように、いつも通りに紫煙を吹かした。
「当たり前ェじゃねェか、そんぐれェ。今更何ほざきやがる」
鼓膜を打つ低く心地の良い声に、目一杯の嬉しさを覚えた。
凍りついた胸が、じわじわと溶けていく。
「それじゃあ、約束です」
小指を立てて、彼へと差し出す。
「お手を拝借」
「…………しゃあねェな」
耳を赤く染め、気恥ずかしそうに目を逸らす彼は、いつもより幼く見えた。
「指切り拳万、嘘ついたら沖田くんから針千本、のーます、指切った」
「こりゃまた恐ろしい内容にしやがって。……絶対ェ守らなきゃならねェな」
お互いに、シリアスな雰囲気をぶち壊す発言をして、絡めていた小指を離した。
見れば、土方さんの口角は弧を描いていて、顔を見合わせて笑った、縁側でのある一時。
――――そして、曖昧だった土方さんへの気持ちが、“like”の好きから……“love”の好きに変わった瞬間。
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暇愛*(プロフ) - 狗冰さん» ごめんなさい、レス押すのを忘れてました…… (2019年7月15日 13時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
暇愛*(プロフ) - ありがとうございます!稚拙な作品ですが、よろしくお願いします! (2019年7月14日 20時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
狗冰(プロフ) - 面白そうです!更新ファイト! (2019年7月14日 19時) (レス) id: aa5a4ed97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暇愛* | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月11日 2時