虎の娘《３》 (ページ41)

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Miyachika side

それからはふたりでたわいも無い話をして盛り上がった。

中村「てか海斗は本当にゲーム興味無いの？」

宮近「いや、あるけどやる気が起きない」

中村「それ無いんじゃん(笑)」

一緒にしたいと思ってくれているのか、海人から送られてきたこともあるけどまだ開けてすらないです…なんて言えない。

中村「まあゲーム出来てもいい事ないしそれ以外がめっちゃ出来るからそのままで良いんじゃない？」

宮近「何それ、どういうこと？」

中村「いや俺もAのことあそこまでゲームに染めるつもり無かったんだけど高校の時みたいに何も考えないで遊びまくるわけにはいかないじゃん、向こうもアイドルだし。それで何となくゲームしてたらこうなっちゃっただけで別にお前らとはゲームとか無くても楽しいからどっちでも良い」

その言葉でやっと俺がAに対して「ゲームに染まった」的なことを言ったことを気にしているんだと気付いた。

あれに関しては全然何とも思ってないし何なら仕事以外に何の趣味も無かったAにハマれるものを教えてくれて感謝しているけど、悲しそうにそう言われて申し訳なくなる。

宮近「全然俺は何とも…」

中村「うん、知ってる。男に興味無いと思ってたって言葉以外全部嘘でしょ。でもAの方から染まりにいったわけじゃないから分かってるかもしれないけど一応訂正」

俺の本音も嘘も全てお見通しの海人。

もしかして絶対止めに来ると思っていた海人が元太と言い合いになった時にしか来なかったのは全部気付いていたから…？

海人のことを見ても当然のような顔をしていて考えていることは読めない。

宮近「…海人、ドッキリだって気付いてた？」

中村「ん～、Aが嘘っていうのは分かってた。あいつ負けても何も言わないのに急にガチになるわけないもん(笑)なんか海斗は微妙に本音っぽいこと言ってたからちょっと分かんなかったけど。まあ本音だったのか」

さらっとそう言い切る海人にやっぱりこの人のことは誤魔化せないと思いながら残っていたおつまみを全部食べてその日は別れた。