Wカイト会 ページ40
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Miyachika side
Aとの喧嘩ドッキリが終わったあと、言い過ぎた自覚はあったから罪滅ぼしじゃないけど海人とふたりで居酒屋に来ている。
来たところで飲むよりは食べる割合の方が高いけど何となく家で話す気にはなれなかった。
中村 「お前さ、あれ普通に本音っしょ(笑)」
いつもと同じように注文して待っていると海人が突然そう言ってくる。
宮近 「…本音じゃないよ」
中村 「いやまあAが俺とだけゲームしたいとか俺以外楽しくないとかは思ってないと思うけど、海斗が俺たちのこと完璧に認めてるわけじゃないのは事実でしょ」
メニューを見ながらさらっと言う海人に何も言い返せない。
中村 「男絡み無いAが好きだったんだもんね、一生海斗に受け入れてもらえるとは思ってないから別に良いよ言ってくれても」
今度ははっきりと目を見てそう言ってきた。
正直海人の言っていることは正しかった。
海人のことを認めてないわけでもふたりを受け入れてない訳でもないけど、俺が好きだったのは大切にしたかったのは男慣れはしていても特別な興味は無くて恋愛とかに無縁なAだった。
元太の時も海人の時も一番背中を押したのは俺だから自業自得と言えばそうなんだけど、ここまで変わると思わなくて正直理解は追いついていない。
宮近 「でも俺、Aと海人のカップル好きだよ」
中村 「知ってる(笑)海斗ほんとに偉いよね。片思いも元太の気持ちに気付いたから無理やり終わらせたんでしょ、そんな無理ばっかしなくていいよ」
元太の気持ちを知りながら奪った奴が言うなって言いたいけどその目は本当に優しくて泣きそうになる。
中村 「絶対俺がふたりの分も大事にするから」
力強くそう言った海人を見て頷く。
宮近 「元太が諦められてないのに認めてるのも、俺が受け入れきれてないだけで信じられてるのも全部海人だからだよ。もう大事にしてくれてるから大丈夫」
実際高校の時から交友関係もほぼ全て見てきたから今の海人がどれだけ本気でAを大切にしているのかぐらいは分かる。
早く俺が大人になればいいだけ。
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美紀(プロフ) - 移行おめでとですコロナに気をつけてくださいね (2021年10月22日 8時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:y | 作成日時:2021年9月18日 7時