虎の娘《３》 (ページ26)

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猛烈なファンページ26

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今日は宮近とふたりで地上波番組のロケに来ている。

東京の隠れた名店を探すというもので朝から色んなところをまわっていた。

何となく誰かに見られているような気はしていたけど、特に気にせず昼過ぎまでロケを続けて宮近と休憩に出ようとした時、その正体らしき人が私たちの前に現れた。

現れたのはガタイが良くて一見ヤンキーのようにも見えるふたりの男性。

私も宮近も身構えたけど特に何も襲ってこなかった。

男「Aちゃんですよね？応援してます！握手してください！！」

何もしてこなかったけど、勢いよく手を差し出してくる姿に驚いて固まってしまう。

宮近「…すみません、俺たちそういうのやってないので」

男「お前には言ってないんだよ」

戸惑っていた私を助けてくれた宮近を睨む男の人たち。

それ以上手を出してくる気配は無かったから見た目の割に悪い人では無いと思ったけど怖くて感謝の気持ちも断りの言葉も出てこなかった。

男「今から休憩なんだよね？ちょっとだけで良いから遊ぼうよ」

A 「いや…私本当にそういうの…」

握手のために出していたはずの手を私の腕の方に近付けてきてそう言ってくる。

初めから握手もするつもりは無かったけど、これ以上距離が縮まらないように宮近の後ろに隠れる。

男「お前は何？ちょっと一緒に仕事してるだけでそんな偉いわけ？」

私がずっと宮近に引っ付いていることが気に食わないのか定期的に標的を宮近に変えてくる。

正直今すぐ罵声でも浴びせて逃げたいところだけど、人通りも多く宮近と一緒に居る以上そんなことは出来ない。

宮近「…メンバーなんで。守らないといけない義務はあります」

男「守るって何？別にAちゃんのこと悪くするとか言ってないんだけど」

男「まだ握手頼んだだけじゃん。見た目で判断するの良くないよ」

鋭い目付きでふたりから睨まれても怯まず睨み返し続けている宮近。

それはいつものぽわぽわして優しい宮近からは想像もつかないぐらい怖くて色んな覚悟を感じた。