虎の娘《３》 (ページ20)

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本音ページ20

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雑誌撮影の待ち時間、たまたま楽屋にはまちゅしか居なくて他のみんなは撮影が長引いていたり別仕事があったり一緒にお弁当を食べることは出来なさそうだったからふたりで先に食べることにした。

松倉「え、なんかいっぱいある！A何にした？」

3種類ほどあるお弁当の前でテンションが上がっている。

A 「まだ私何も取ってない。何がある？」

松倉「えっとね、唐揚げとハンバーグとのり弁？かな」

A 「え～どうしよ、あんまりお腹空いてないんだよな…」

私がそう呟いている間にもまちゅはさっさと唐揚げ弁当を持って机に向かっている。

松倉「なんかみんな最近食欲無いって言ってるよね、元太とか」

嬉しそうにお弁当を開けながらさり気なく元太の心配をしているまちゅ。

松倉「…ご飯食べる暇もないぐらい忙しそうだから食べなくても大丈夫になっちゃってるのかな、倒れないといいけど」

A 「冗談抜きで私の食欲あげたい」

松倉「本当にね(笑)いっぱい食べる元太好きだったんだけどな…」

悲しそうにそう言いながらも大きく口を開けて唐揚げを頬張っている。

君は本当によく食べるね、可愛いね。

結局お弁当は選ばないでまちゅの前に座って眺めていると、食べ終わったまちゅと目が合う。

松倉「…え、何？(笑)」

A 「ん～、いや？可愛い顔して食べるなって思って」

松倉「なにそれ、バカにしてるでしょ(笑)」

そう言いながらまちゅはゴミを捨てに行って、私はいつも座る席に戻る。

松倉「Aって海人と付き合ってて楽しい？」

やることも無いからとりあえずスマホを触っていると突然まちゅがそんなことを聞いてくる。

A 「楽しいよ、なんで？」

松倉「…楽しいなら良いんだよ。別に誰も悪くないから口出ししたくないけど、こっちが胸痛くなってくるから(笑)」

A 「どういうこと？」

松倉「ん～？なんでもない」

適当にそうはぐらかされるけど聞き返せる雰囲気ではなくて黙ってしまう。