虎の娘《３》 (ページ19)

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しばらく沈黙が続いてしまって適当にスクショタイム的なポーズを取っていると、突然猪狩からの返事が来た。

猪狩「…危なっかしいし努力家なだけで何も出来ないやつだけど、本気出したら凄いしマジで俺らも信じられないぐらい上行くと思ってる」

A 「確認だけど本当に年下？」

まあ言っても一年だけだけど。

猪狩「正真正銘年上ですよ、お姉さん。成人されてますもんねかっけぇっす」

A 「ダルいよ猪狩」

猪狩「アイドルが生配信でそんなこと言っちゃダメだって(笑)」

猪狩と話すのはこの前のコラボの時以来だけど全然気まずくなくて、やっぱり同期ってすごいと改めて思う。

猪狩「Travis Japanさん凄いけど絶対負けないからね」

A 「こっちのセリフだよ」

猪狩「デビューも出来ないとか笑わせないでよ」

A 「当たり前じゃん、そっちもね」

最強の同期で仲間でライバル。

HiHi JETに居た時から猪狩とはそんな関係でお互いに高め合ってきた。

そして猪狩とも電話を切ってインスタライブの締めに入る。

A 「ゲリラライブだったのにたくさんの方に見て頂けてすごく楽しかったです！また機会があったらやりますね～」

軽くそう言ってインスタライブを切ってそのまま少しだけエゴサをする。

正直急に始めてよりによって私だし、叩かれていることを覚悟していたけど意外と好評でトレンドにも入っていて嬉しかった。

試行錯誤しながらアーカイブを残して、シンプルにプライベートでうみに電話をかけてみる。

A 「あ、もしもしうみ？」

中村「ねえ、俺もAのことどう思ってるか言いたい」

てっきり寝てるか見てないかだと思っていたから、何も言うつもりはなかったのに電話をかけた瞬間そう言われて嬉しくなる。

中村「たまにムカつくし面倒臭いけどそれが嫌になったことは無いしずっと可愛いしほんと好き。一緒に居てくれてありがとう」

A 「…好き」

それだけしか言えなかったけど、電話の向こうのうみも微笑んでくれているような気がした。