虎の娘《２》 (ページ25)

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アイドルページ25

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今日はアイドルとして大尊敬している中村嶺亜くんと音楽番組でコラボするためのリハーサルがある。

嶺亜くんのスケボーと私のローラーでコラボするらしい。

ローラーを履くのはHiHi Jetに入っていた時以来だからもう五年近くのブランクがある。

正直猪狩にも来てもらって一緒にメンテナンスして欲しいぐらい不安だった。

嶺亜「相変わらず真面目だよね〜」

なかなか思い出せなくてとりあえずゆっくり立つ練習からしていると嶺亜くんが来た。

A 「あ、お疲れ様です！よろしくお願いします」

嶺亜「ローラーなんてずっとやってないでしょ、大丈夫なの？(笑)」

スケボーに乗りながら軽くそう話しかけてきてくれる。

A 「正直めっちゃ怖いです」

嶺亜「だよね〜(笑)ほんとに一人しか居ないからってAちゃんに無茶させすぎだよ」

スタッフさんに聞こえていないか心配になる距離でさらっと毒づく嶺亜くん。

うみとかと違って笑顔で毒を吐いてくるからさらに怖い。

嶺亜「これは普通にローラーとスケボーのコラボってことで良いの？」

A 「多分そうだと思います」

嶺亜「Aちゃんはいいよ、俺聞いてくるから練習してて」

そう言ってスタッフさんに聞きに行ってくれる嶺亜くん。

スタッフさんの中には嶺亜くんより歴が短い人も居るほどジャニーズ歴の長い嶺亜くんは慣れた様子でこれからの段取りも聞いて戻ってきた。

A 「すみません、ありがとうございます」

嶺亜「なんか今ステージの最終確認してるらしくて振りとかは後日になるかもって」

A 「え、じゃあ今日は何を…？」

ローラーのブランクを取り戻さないといけないのはそうだけど、その間嶺亜くんは何もすることがない。

嶺亜「なんか仲良くなっといてって言われた(笑)」

A 「そんな緩い感じでいくんですか」

嶺亜「そうじゃない？分かんない(笑)」

実際ただの私の憧れで猛アタックしたから連絡先を持っているだけでそこまで親しい訳でもない。

これが絶好の機会だと思って必死に嶺亜くんと距離を縮めることにした。