. ページ48
・
Miyachika side
しばらく海人のゲームの音だけが響いていた。
中村 「…ぶっちゃけAのこと好きだったの元太だけじゃないでしょ」
誰も何も言わずひたすらお菓子だけが減り続けていた時突然海人がゲーム機を置いて振り返ってそう言った。
みんな驚いて言葉が出ない。
中村 「元太も黙って許してくれてるの凄いなって思ってるけど元太が好きだって言ってた時から隠してたのほんとすごいと思う」
明らかに俺の方を見ながらそう言っている海人。
みんなのことを見渡すと、ほぼ不思議そうな顔をしているけど唯一松倉だけは一瞬目が合った気がした。
やっぱりメンバーの前に同級生の人たちに誤魔化せるわけないってこと?
中村 「あ〜、いやまああの、うん。別に言わなくてもいいんだけど(笑)」
少しみんなの空気が変わったことを察したのか誤魔化すように笑う海人。
俺のことだって分かってるならもうそのまま言って欲しい。
俺から名乗り出られるわけないことはそこまで気付いてるなら分かってるはずなのに。
そう思ってずっと海人のことを見つめていると、目で「言っていいのか」と聞いてくる。
小さく頷くと海人は改めてみんなの方に向き合った。
中村 「…えっと、…え、なんて言ったらいいの!?(笑)」
そう言いながら俺のところに来る海人。
それでみんな気付いたみたいだった。
七五三掛 「…え、ちゃか!?え、一番ふたりのこと応援してたじゃん…」
みんな驚いていたみたいだけど俺が思っていたほどでは無かった。
川島 「まあ確かにちゃかちゃんはAちゃんのことずっと見てきたんだもんね」
宮近 「…俺、頼られるの好きだからどうでもいい事でもいちいち相談してくれるAのこといつの間にか本気で守りたいって思ってて…」
俺が思っているのは本当にそれだけで「付き合いたい」という気持ちは無いと分かっているのかそれ以上は誰も追及してこない。
松倉 「こんないい人にばっか好かれるA良いな〜ズルくない??」
七五三掛 「わかる。うみんちゅと別れてもまだ元太とちゃかが居るのズルいよね」
気持ちは分かるけどストレート過ぎるその言葉に思わず笑ってしまった。
285人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美紀(プロフ) - 移行おめでとですコロナに気をつけてくださいね (2021年10月22日 8時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:y | 作成日時:2021年8月24日 8時