虎の娘 《２》

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宮近が今までの確認だと言っていたからとりあえず今日までのレッスンの動画を見返しているといつの間にか寝てしまっていたみたいで、気付いた時にはみんな帰ってきていた。









宮近 「…大丈夫？水飲んだ？」









私と目が合うとそう言って優しく笑ってくれる宮近。









昼ほどしんどくないことにも気付いているのかそれだけで何も言ってこない。









松田 「Aちゃんずっと頑張ってたもん、一週間ぐらい休んでも問題ないでしょ」









宮近 「それはダメ(笑)」









まだ少しお腹は痛かったから何も言えなかったけど、気を遣っていつもより静かにしてくれているのも何も無いように笑ってくれるのも全部嬉しかった。









中村 「…全然いいから、しんどくなったらちゃんと今日みたいにアピールしてきてね」









ふたりのやり取りを見ていると隣にいたうみがボソッと呟いた。









中村 「ちゃかとか元太は分かるみたいだけど、俺言ってくれないと分かんないから」









少しだけ悔しそうな顔をしてそう言ううみ。









中村 「言ってくれたらちゃんと出来ることはする」









A 「その気持ちだけで嬉しいよ、ありがとう」









中村 「Aには山ほど助けてもらってきたのに俺は何も出来ないって情けないじゃん」









うみは俯いてそう言っているけど、何でも正直に言ってくるからこそさり気なく味方してくれるところとか最初から当たり前のようにメンバーとして接してくれたところとか私もたくさん助けられてきた。









調子乗るから言わないけど。









もう一度軽くお礼を言ってその日の仕事は終わった。









次の日からはしっかりとレッスンにも参加した。









今まで倒れたことが無かった分いつも以上にみんな過保護な気がしたけど特に何事もなく終わった。









さり気なく水を出してきてくれたり意地悪のフリをして食べ切れないお弁当を食べてくれたりうみの自信が無くなるのも分かるぐらいみんな優しくて純粋に嬉しかった。









前から信用していなかったわけではなかったけど、この様子を見て改めてどんなことでもとりあえず相談だけはして頼ってみようと思った。

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