虎の娘《２》 (ページ31)

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女の子の日ページ31

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今日から月イチでやってくるアイツらとの戦いが始まる。

なんて言っても私は全然軽い方で休憩の度にトイレに行けば全然間に合ったし、倒れたことも無い。

うみ以外女兄弟が居るから理解はしてくれてると思うけど、わざわざ相談しないといけないほどでもなかった。

でも今回は何故かくる前から軽く目眩になったりしていた。

それでも全然仕事は出来るレベルだったから何も言っていなかった。

食欲が無いのもいつものこと。

配られた弁当の中から軽そうなものを選んで食べていると突然お腹が痛くなった。

少し我慢すれば大丈夫だと思ったけどどれだけ経っても治まらなくて吐きそうになって思わず箸を置いてうずくまった。

中村「…え、大丈夫？」

心配そうにうみが声をかけてくれているのは分かったけど返事をする余裕が無かった。

宮近「Aとりあえず袋あるから気持ち悪かったら吐いていいよ」

そう言って宮近が袋を出しながら背中をさすってくれる。

「お礼ぐらい言いなよ」と自分のことを責めているとまた気持ち悪くなりそうだったから必死に別のことを考えた。

宮近が水を出してくれたり一緒に深呼吸をしたりしてくれて少しずつ落ち着いてきた。

宮近「…次のレッスン、休む？」

A 「いや、大丈夫。私みんなより遅れてるしこれ以上足引っ張れない」

まだ何かに寄りかかっていないと倒れそうで、背もたれに体重をかけながらそう言うと宮近は首を振った。

宮近「バックとかじゃないから俺たちがAに合わせるよ。今日はここまでの確認にしてもらう」

A 「でも、そんな…妥協なんか…」

誰よりも完成度にこだわっていて、前のパフォーマンスより劣化していることを嫌う宮近が心の底からこんなこと思っているわけが無い。

宮近「いいの、Aは休んでて」

宮近にはっきりとそう言われて何も言い返せなくなる。

レッスンが始まる時間になってみんなが楽屋を出ていってしまった。

普通に何か出来るぐらいは回復してきたからとりあえず半分以上残ったままの弁当をどうにかしようと思って一口だけ口に入れると、なんとなく限界を感じて静かにフタを閉じた。