虎の娘 (ページ36)

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慣れないサプライズで変に緊張していると、何となく私の違和感を察したみんなが私の言葉を待つように静かになった。

A 「…あ、えっと、実は昨日まで映画撮影しててあの映画デビューすることになりました」

初めて現場に行った時ぐらいガチガチになってそう言うとみんな笑って祝福してくれた。

宮近「え、まって聞いてない。落ち着きなかったのそういうこと？」

七五三掛「何も言わないで裏で撮ってたってこと？全然気付かなかった」

吉澤「すごいじゃん、おめでとう」

思った以上にみんな喜んでくれて嬉しかった。

A 「…あ、それでみんな良かったら観て欲しいんだけど」

松田「え、マジ何回でも観るよ」

A 「え～なんかちょっと恥ずかしい(笑)」

そう言って一通りチケットを配り終わると、案の定メンバー全員からの質問攻めが始まった。

松倉「てかいつから撮ってたの？」

A 「一か月前ぐらいかな」

川島「これどういう系？恋愛？」

A 「ラブコメ？みたいな。でもこれあんまり言い過ぎると色んな人に怒られちゃうけどそこまで恋愛要素無いから大丈夫」

宮近「大丈夫って何(笑)」

みんなが口々言っている中珍しく何も言ってこないうみ。

A 「…うみ？体調悪い？」

中村「え、いやなんかそういえば最近Aノリ変わってたなって思って」

A 「うそ変わってた！？」

松田「確かにちょっとSixTONESさんっぽくなってた」

A 「まあ北斗くんは居たけど…北斗くんしか居なかったよ」

吉澤「めっちゃ周りに影響されるじゃん(笑)」

思い返してみてもそこまで分かりやすく変わっていた自覚は無かった。

中村「いや、だから何かの役に入ってたっていうのも考えたけど多分Aにこんなノリいい役こないから彼氏出来たってことにしてた」

松田「まってラブコメってこれ付き合う？」

突然心配そうに元太が私とうみの話に入ってきた。

A 「お楽しみにしといて(笑)キスシーンは無いけど」

そう言うと少し安心したような表情をした元太。

久々に揃ってこの騒がしさを感じると改めてこの場所が好きだと思った。