検索窓
今日:15 hit、昨日:2 hit、合計:20,721 hit

ページ8

「…うん、そうだね。…ごめんね」
「…ばか……」

少し泣き出しそうな彼女を見て、思い出す。
…初め、付き合うきっかけになったのは彼女の告白だった。
今と同じように、ちょっと泣き出しそうで、顔赤くして。
…俺は、この表情が嫌いじゃない。
無意識に手が伸び、彼女の頭を撫でた。

「…ごめんね。もうちょっとで終わるから」

俺が、こんなに幸せでいいのだろうか。
…狂おしいほどに、愛おしい。
俺は、目の前の彼女を抱きしめる。

「…羽風、…ちょっと、くるしい」
「…!ごめんごめん、大丈夫?」
「…うん。…」

今度は、彼女が優しく、俺の背中に腕を回した。
今日はどこまでも甘えんぼさんみたいだ。

「…こっち向いて」
「……ん」

彼女の唇に、自分のそれを重ね合わせる。
…何もかもが、彼女でいっぱいだ。
彼女はリードされないように必死になっている。
しかし、それは無駄な努力に終わり、結局俺の思うがままにされる。
…ここまでが、いつものお決まりのセットだ。

「……ん、はっ…は、かぜ…」

彼女は既にふわふわしている。
…これが学院じゃなくて、家だったら確実に…

「…Aちゃん。……っ。…終わり、終わりね。そんな顔しても、今はダーメ」
「………わかった」

やけに素直だ。
…不服そうではあるが。

「…うん、いい子」
「……待って、あと1回だけ…」

断る理由が見つからなかった。
もう1度だけ、優しく唇を奪う。
そして、さらに『もう1回』『もう1回』なんて、求めてしまうが、その感情は無理矢理抑え込む。
…おねだりの仕方が、ズルすぎるんだってば。

「…ほら、本当におしまい。そろそろみんな戻ってくるから。…今日は一緒に帰れるでしょ?」
「…うん」

彼女の頭をもう一度撫でる。
…彼女に、笑顔が戻った。
やっぱり、この表情が1番だ。
俺たちは心地よい温かさから離れた。
そして、

「…ここにいんじゃね〜か!おいっ、吸血鬼ヤローてめぇ、無駄な体力使わせやがって!!」

荒々しく開く扉と騒々しい叫び声と共に、また日常が帰ってくる。

「あ、私のこと探してた感じ?」
「嬢ちゃん、迎えに行ってやろうも思ったらどこにもいないんじゃもん…我輩もうくたくた…」
「…朔間先輩、そこで寝るな」
「3人とも遅いよ〜」

…俺と彼女の仲は、みんなには秘密なのだ。



ーーーー
すみませんオチが迷子でした
ちゃんと構想練らないとなあ
あと、サブタイトルの案が何も思い浮かびません

日々樹渉→←羽風薫



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
44人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ハム公(プロフ) - ほたるさん» 前作も読んでくださったんですね…!ありがとうございます!了解です。順番に消化していくので、遅くなる場合もありますが…必ず書きますので気を長くしてお待ちくださいm(_ _)m (2017年10月29日 23時) (レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - はすみんが可愛すぎて死んだ・・前のやつの最初は笑いまくりました!!リクエストで私は君よりも〇〇さんが好き(憧れ的な意味、好きではない)と言ってみたをお願いします! (2017年10月29日 21時) (レス) id: 836cda0430 (このIDを非表示/違反報告)
ハム公(プロフ) - *神*威*さん» 了解です!ありがとうございます。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - 誤字スミマセン!(笑)引き受けていただきありがとうございます!転校するでお願いします。 (2017年10月23日 9時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
ハム公(プロフ) - よつぎさん» わーありがとうございます!転校する、ということですかね…?EveとAdam頑張ります…笑 (2017年10月22日 17時) (レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鈴木 | 作成日時:2017年10月14日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。