朔間凛月〜お手をどうぞ、○○○〜 ページ5
…ねぇ。
…アンタはさ…いつも俺のそばにいてくれるでしょ?
…吸血鬼といるのって怖くない?
…へえ…変わり者だね。
……じゃあ…こんなことされても、あんなことされても、文句なんて言えないね?
*
「…吸血鬼、ちょっと眠いんだけど」
「なぁに、お姫様。寝ればいいじゃない」
ある日の放課後。
レッスンルームに男女2人がいました。
吸血鬼は、お姫様を愛していましたが、お姫様には伝わりません。
「吸血鬼が私の膝を使って膝枕というものをしているのだろう」
「…寝心地いいんだもん」
「良くない」
…さて、
あの女の子、お姫様には見えませんね。
普通の、女子高校生に見えます。
…いえ、人を見た目で判断してはいけません。
「…あと、お姫様と呼ぶなと言ったはずでしょ」
「はいはい、分かったよ…お姫様」
「…」
「いたっ」
お姫様が吸血鬼を殴ったようです。
お姫様は、吸血鬼のことを愛している…はずです。
「お姫様はそんな乱暴しちゃダメでしょ」
吸血鬼が、お姫様の頬に手を添えました。
お姫様は嫌な顔をしながらも、もっと撫でて欲しいとでも言うように頬を寄せます。
「姫じゃないからいいのです」
「…ふふ、そうだねぇ」
「なにその目」
「…可愛いなぁって思って」
「な…!」
お姫様は頬を赤く染め、吸血鬼はその様子を微笑ましそうに眺めます。
…一応言っておきますが、お姫様は吸血鬼に膝枕をしています。
「馬鹿、そういうことは…!」
「なんでよ、いいじゃん…言ったでしょ。…俺はお姫様が好きなんだよ」
「…それは……」
お姫様は吸血鬼から目を逸らします。
「…そこで黙んないでよ、こっちだって恥ずかしいんだけど」
「…ごめん」
「謝られると罪悪感〜…フラれたみたいじゃん、やめてよ」
吸血鬼はまた、お姫様の頬を愛おしそうに優しく、撫でました。
お姫様は、不服そうな顔をしています。
「…ね、お姫様」
「だからお姫様と呼ぶなと…」
「はいはい…」
吸血鬼はやっと起き上がると、お姫様にキスを交わしました。
お姫様は抵抗することはありませんでした。
「……」
「…ふふ、そろそろ慣れなよ」
「……むり…」
お姫様は吸血鬼から少し距離を取ります。
しかし、吸血鬼はお姫様から離れる気はなく、むしろさっきよりも距離が縮まったような気がします。
「……吸血鬼、近い」
「知ってる」
お姫様は、嫌がる素振りを見せますが、やはり逃げようとはしませんでした。
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ハム公(プロフ) - ほたるさん» 前作も読んでくださったんですね…!ありがとうございます!了解です。順番に消化していくので、遅くなる場合もありますが…必ず書きますので気を長くしてお待ちくださいm(_ _)m (2017年10月29日 23時) (レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - はすみんが可愛すぎて死んだ・・前のやつの最初は笑いまくりました!!リクエストで私は君よりも〇〇さんが好き(憧れ的な意味、好きではない)と言ってみたをお願いします! (2017年10月29日 21時) (レス) id: 836cda0430 (このIDを非表示/違反報告)
ハム公(プロフ) - *神*威*さん» 了解です!ありがとうございます。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - 誤字スミマセン!(笑)引き受けていただきありがとうございます!転校するでお願いします。 (2017年10月23日 9時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
ハム公(プロフ) - よつぎさん» わーありがとうございます!転校する、ということですかね…?EveとAdam頑張ります…笑 (2017年10月22日 17時) (レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴木 | 作成日時:2017年10月14日 23時