４４話 ページ45
気味が悪い沈黙が流れた。
石浦…は、まだあの表情を貼り付けたままだった。
…気持ち悪い。
…意味が分からない。
「…で、ゆーれいちゃん？どうするつもりでいるのかな」
沈黙を破ったのは石浦。
今度は妙に冷めた表情をしていた。
「…どうもしねぇよ」
「…へぇ。瀬名泉ｸﾝも物好きだね…こんなやつと一緒にいて…」
物好き。
…それは否定しないけど。
何が言いたい？
こいつは…何者なんだ？
「一緒にいない方がいいよ。…死にたいなら別に止めないけどね。そうなら俺も気にしないよ。…気にしないで、彼女を追いかけ続ける」
「…ちっ……」
彼女が舌打ちをしても、睨んでも、彼は怯む様子はなかった。
楽しそうに笑っている。
「…あ、そうだ。……実はおまえのためにすごいもの持ってきたんだよね〜」
「……」
彼女がピクリと体を動かした。
「どう？」
「…出せ」
「……ふふ、ほんとに？ほんとに？」
「…はやくしろ……」
彼の表情がまた変わった。
…殺人鬼のような、狂った笑顔。
「…ほら」
桜の木がザワザワと揺れる。
生暖かい風だった。
「……」
彼が地面に投げるように置いたのは、ズタズタで分かりにくいが、黒猫だった。
…紛れもなく、『みぃこ』だった。
動かない。
彼のフサフサの毛は、血のせいか固まっていた。
彼女は、手の力がだんだん抜けるようにして俺を下ろす。
…目は、虚空を見つめているようだった。
「…ふふ、どう？びっくりした？あははは！」
「…っ！」
柊が目の色を変えた。
…比喩なんかじゃない。
黒目は赤く変化し、白目は黒…
……何より、彼女の肩から何かが生えてきた。
…羽？…翼…
なんだ、これ…
背中に悪寒が走った。
「ありゃ、ここでそんなことしちゃっていいのかな。…瀬名泉ｸﾝ、何も知らないんじゃないの？」
「……！」
彼女の取り巻く変な空気が一気に消える。
その場に立ち尽くしていた。
…もう、何もかもに絶望したようだった。
「でも、もうバレるのも時間の問題だね。…いや、もう気がつかれちゃったかもよ？」
「……っ」
羽が彼女の体内に戻っていく。
目も、普通の彼女の丸っこい瞳に戻っていた。
「…柊玲は、喰種だってね」
「……！」
「そして、喰種を追っかけてるおれは…普通に考えて喰種捜査官だよね…♪」
喰種。
…人を、喰らう、種。
to be continued
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ハム公(プロフ) - もりちあのめがねさん» ｱｱｱありがとうございまｧｧｧｧｯｽ!!!!今のとこあんま喰種要素出せてなくてすみません…笑 更新遅くなると思いますが、最後までみとどけていただければ嬉しいです…！ (2017年11月7日 18時) (
レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
もりちあのめがね - 最初、あんスタと東京種喰って最高やんけと思って読んだら最高でした。神です!!!セナも大好きだし!!!更新楽しみにしていまｱｱｱｱｱｯｽ!!!!!!!! (2017年11月6日 16時) (レス) id: e231ea7ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年9月17日 17時
