玖-28 ページ42
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「そんなに驚いた?」
「う、うん、まあ……」
満面の笑みを貼り付けて僕の顔を覗き込む葵。
……そういえば今までそんなに葵のことちゃんと見たこと無かったかも。
本当に整った顔してるなぁ、そりゃモテる訳だよね。
現実逃避をするかのようにじっと葵の顔を見つめていると、くすっと笑う声が聞こえた。
「どうしたの、夢乃ちゃん?」
「いやぁ、別になにも……」
「あっ、そういえば 私、夢乃ちゃんに聞きたいことがあったの♡」
……そうきたか。
どうやって躱そうか考えている僕のことを知ってか知らずか、葵はそのまま言葉を続けた。
「最近、茜くんの様子が少しおかしくて……ずっと夢乃ちゃんの名前を呟いてるの。何か知らない?」
あの 葵狂いの茜がずっと僕の名前を呟いてる……?
でも確かにここ最近、何かと話す機会もあったし きっと僕とあったことがあるかどうかでも考えていたのだろう。
つい数時間前に解決した問題だし、流石にまた葵に戻っていくとは思う。
……けど、知ってるって言ったら面倒になりそうだな。
「さあ?
第1僕、あんまり茜と話したことないし……悪い夢でも見たんじゃない?」
「……そっか、ありがとう 夢乃ちゃん」
「別に大丈夫!……あ、僕これから用事あるんだ!
また明日ね、葵!」
「うん、ばいばい!」
これ以上変な詮索をされたらボロが出そうだと思い、走ってその場を後にした。
それにしてもやけに素直に信じてくれたな……裏がないといいけど。
「今まで夢乃ちゃんが茜くんのことを下の名前で呼んでるのなんて見たこと無かったのにな。
……嘘つき」
───
お久しぶりです
割と多忙(暇)な日々を過ごしてから数年ぶりの更新をしましたが、初手でオリジナルストーリーはきついです
前回の私は何を考えてあんなことを書いたんだ……?
ちなみに「ひびのちゃん」がメインの小説が出来上がった話ってしてませんよね
出来ました
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