雨の中で出会った少女は…

１４話 ページ16

そして事件が解決し今は夜になった

ｸﾞｽﾞｯ…ｸﾞｽﾝと隣から聞こえる


「おいおい、もう泣くなよ」

「新一はよく平気でいられるわね……」

「俺は現場で見慣れてるから、バラバラなやつとか」

「サイテーーー‼」


普段このような事に慣れていない蘭は今回の事件はとても影響力のあるショッキングな事件だっただろう


「早く忘れた方がいいよ……よくあることだから」

「ないわよこんなこと‼…………えぇぇぇぇぇん‼」


蘭は声を出して泣いている。新一の優しさが余計な一言のせいで空回りしてしまったようだ

新一は辺りを見回すと黒い影が走っていく姿を見つけた


「(あれはコースターに乗っていた黒ずくめの男の一人……)ごめん蘭‼先帰ってくれ‼」


と蘭の方に振り向き手をあげて告げ黒ずくめの男を追いかけた


「えっ、ちょっとォ………あっ‼」


新一を追いかけようとしたが靴紐が切れてしまったようだ


「すぐ追い付くからよぉぉ‼」


そんな様子は目に入らずただ黒ずくめの男を追いかけた……このとき蘭は


「(行っちゃう……これっきりもう会えないような)」


そんな予感が心の中に渦巻いていた
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

場面が変わり先程の黒ずくめの男が


「待たせたな‼社長さんよ‼」


とその社長らしきアタッシュケースを持った男に言葉を発した


「お……遅いじゃないか‼2時間待ったんだぞ‼約束通り一人で来た‼」


どうやら取引現場のようだ


「知ってるさ、コースターの上から確認させて貰ったからな‼」


しかも相手は確認済み


「は……早く例のものを‼」

「焦るなよ、金が先だ‼」


社長の焦ったようすを見た男はそう言った


社長は手に持っているアタッシュケースのふたを開け中身を見せている


「ほら‼これで文句あるまい‼」


アタッシュケースの中にはおよそ1億ぐらいのお金が入っている。この現場を目撃している新一は


「(すげぇぇぇぇぇ、一億は軽くあるぞ)」


だなんてのんきなことを考えている

１５話→←１３話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す