・ LIFE 196 ページ10
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あの蒼川っていう女の子が来てから数日が経った。
私は美帆子に呼び出されてスタッフステーションの隣にあるカンファレンス室に来た。
緋山「あー、あのさ、……ごめん」
『……何が?』
緋山「……だからー、あーのー、…悪かったって事。
白石から聞いた。全部、その……あんたの優しさだったって事。
あと、名取からも。感染症の事とか、さ」
『あぁ、……恵の事はよく分かんないけど、耕の事は…うん。』
緋山「……あんたって昔っからそうだよね。人との争いを一番嫌うし、興味ない。」
『だってそうじゃない。……人と争えば周りの雰囲気も悪くなる。
そうすれば、救命のチーム自体の雰囲気が悪くなって、チームじゃなくなる。
そうでしょう?』
緋山「さすがね…ほんっと、あんたには勝てないわ」
苦笑しながら言う美帆子に私は笑いながら駆け寄り、ギュッと抱きしめた。
『私もごめんね、……ずっと、ずっと美帆子に会いたかった。』
緋山「っ、……おかえり、おかえり、A」
涙声になった美帆子の背中をポンポンとしながら私も“おかえり”と諭す。
しばらくして離れた私達は何だか照れくさくなって言葉を探す。
『んー、コーヒー飲みたい!』
緋山「んふふ……私も。飲も」
飲もうか!と言おうとした時だった。
《神奈川県 松浦消防より ドクターヘリ要請です。》
そんな声が院内を駆け巡り、そのタイミングにお互い苦笑しながらスタッフステーションに二人で戻る。
《松浦市内で刃物を持った外国人男性が暴れ、近くにいた数名を切りつけ、その後自らを刃物で刺して意識不明の重体。
女性が2人、男性が犯人を合わせて3人、それぞれ腹部を損傷し出血多量。
ドクターヘリ要請出来ますか?》
外国人男性が刃物を持って暴れたって……怖いなぁ、
白石「わかりました、出動します」
白石が応答したのが聞こえて美帆子と2人顔を合わせてカンファレンス室を飛び出した。
今日のヘリ担当は、私、緋山、冴島の三人。
緋山に白石、私に耕、冴島に藤川がそれぞれ救命バックを渡して走り出す。
長年培ってきた絆……って奴なのかな。なんて思いながら目線だけで会話をし、ヘリに飛び込む。
《現場から追加情報です。
20代女性は右脇腹、30代女性は下腹部、20代後半男性は左脇腹、20代前半男性は骨盤あたりに刺し傷を負っています。》
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あられ(プロフ) - 夢主と藍沢先生が結ばれるそういう作品にしてほしいです…続き頑張って… (2018年5月23日 19時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤勝利LOVE(プロフ) - 頑張ってください これからも応援しています! (2018年5月13日 17時) (レス) id: 9db5a86e99 (このIDを非表示/違反報告)
キラあや - いつも、続き楽しみにしています!更新お願いします! (2018年5月11日 17時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 続き楽しみにしています! (2018年4月22日 16時) (レス) id: ce7544d8fb (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 更新されていて嬉しいです。これからも楽しみにしてます。 (2018年3月9日 7時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年12月7日 14時