はじまり ページ5
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そこからA先輩とまた会えるかもしれないという期待だけで始めたコンビニバイトだったが、まあ、A先輩がこの上のマンションに住んでいるという事も単なる噂だっただけであって、このコンビニでA先輩を見ることは無かった。
…何やってんやろ俺…本当に単細胞というか馬鹿というか…
キャンパス内で遠くからA先輩を眺めつつ、淡い期待が消えそうになりながらバイトを続けて3週間が経とうとした時…奇跡が起こった。
A先輩が、このコンビニに来店したのだ。
驚きと喜びで心臓が大忙しだったが、態度に出さないよう平然を装う。
キャンパス内で見かけるA先輩とは少し雰囲気が違い、
黒の膝下まであるキャミソールドレスに、胸元にはパールのネックレスが輝いている。
普段より露出された腕や鎖骨に、更に俺の心臓は早まる。
先輩は水を1本だけ手に取り、レジにやってきた。間近に先輩が居ることを感じつつ、緊張で先輩を真っ直ぐ見つめることなんて出来ずに、俯きながら会計を行う。
「ひゃ、150円になります…」
緊張から声が裏返ってしまったが、何とか平然なフリをして誤魔化す。しかし、先輩は何も反応がなかった。
「あの、お支払いはどうなさいますか…？」
そう聞くもまた反応はなく、勇気を出して顔を上げると、先輩の大きい瞳は少し伏せられ、一点を見つめていた。
そして、唇が動いたかと思うと
『にし、はたけ…？』
と呟いていた。そこでやっと彼女の視線が俺の名札に集中していた事に気づく。
「にしはた、です。」
そう言うと勢いよくバッと顔を上げたA先輩。
『あ、ごめんなさい。なんて読むんだろうって思っていたら…声に出てしまっていましたかね？』
ふんわりと微笑む彼女に、また胸が高鳴る。
「は、はい。あんまない苗字ですもんね。」
『初めて見ました。あ、支払いカードで。』
お支払いを済ませて、立ち去ろうとした時
彼女は振り向いて
『じゃあまた。にしはた、くん？』
と言って立ち去っていった。彼女の口からでた自分の名前を聞いて、更に鼓動が早くなったのは、今でも覚えている。
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シキ(プロフ) - memeさん» コメントありがとうございます。有難いです、これからも内容に悩みつつですが更新していきますので、これからもこちらの作品を宜しくお願い致します。 (2023年4月8日 3時) (
レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
meme - 投稿楽しみに待っておりました！楽しく拝見させて頂いております。これからも更新頑張ってください！ (2023年4月7日 22時) (レス) id: 256fd9f9cd (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉が頂けて幸せです、マイペース更新で申し訳ないです、これかれも楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年10月18日 0時) (レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 楽しく読ませて貰ってます！更新頑張って下さい😊 (2022年10月13日 21時) (レス) @page25 id: 9dbca4abe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シキ | 作成日時：2022年5月29日 5時
