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それからというもの、テスト期間も近いので、バイトも暫く休んでいた。
一応特待生という名目でこの大学に通っているので、成績を落とす訳にはいかないのだ。丁度、A先輩と会うことも気まずいし、この期間はなんだか有難かった。
失恋の傷を忘れる為にも、とにかく勉強に打ち込んだ。
図書室の方が本当は捗るのだが、万が一の可能性を考え、大学の自習室や、家で勉強をしていた。
俺のメンタル的に、A先輩を避けることが必要だった。それ程までに、俺はA先輩に心酔していたようだ。
まあ、A先輩的には暇潰し程度に絡んでいただけやろうし、なんとも思うてへんやろうな…
そんな中、来月のシフト提出の為、久々にバイト先に立ち寄った時だった。
丁度、A先輩と、例の彼氏さんが歩いているところを見かけてしまった。
あ、そう言えば今日は土曜日…やったっけ…
条件反射的に植木に隠れるも、たぶん俺を見かけたところでA先輩も何も思わんやろうし、彼氏さんに至っては記憶にも残っていないだろう。
黒いタイトなドレスに身を包み、今日も高いヒールを鳴らしているA先輩と、ネイビーのスリーピーススーツを着こなす彼氏さん。どう見てもお似合いのカップルだった。
街ゆく人はみな振り返り、二人の空間だけ、まるでヨーロッパの街並みを歩いている様な別世界が広がっていた。
数秒程の光景だったが、何時間もある様に二人がスローモーションに見えた。
分かっていたはずなのに、改めて住む世界が違うのだと言う事を、嫌という程思い知らされ、じくりと胸が痛んでいる。
何を勘違いしとったんやろう、最初からあの人は高嶺の花やったやん…
本来なら、虫ケラの一人である俺が話す事さえ叶わないことやったのに、ジクジクと心臓は痛むばかりだ。
散々手遅れだと思っていたが、もう本当に後戻り出来ないほど、A先輩への思いは膨れ上がっているのだ。
先輩、まだ貴方を忘れる事は、到底出来そうもありません。
だから、貴方を思うことだけは許してください。
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シキ(プロフ) - memeさん» コメントありがとうございます。有難いです、これからも内容に悩みつつですが更新していきますので、これからもこちらの作品を宜しくお願い致します。 (2023年4月8日 3時) (
レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
meme - 投稿楽しみに待っておりました！楽しく拝見させて頂いております。これからも更新頑張ってください！ (2023年4月7日 22時) (レス) id: 256fd9f9cd (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉が頂けて幸せです、マイペース更新で申し訳ないです、これかれも楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年10月18日 0時) (レス) id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 楽しく読ませて貰ってます！更新頑張って下さい😊 (2022年10月13日 21時) (レス) @page25 id: 9dbca4abe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シキ | 作成日時：2022年5月29日 5時
