過去の話 ページ35
十座くんと中庭のベンチに並んで座り、俺は過去のことを話し始める。
「俺さ、2歳から活動してて、初めて芝居をしたのは
4歳の時だったんだ。…その時は天才なんて呼ばれてたりして、ドラマにも映画にも引っ張りだこだった。」
十座「…知ってる。俺もアンタのドラマ見てた。」
「本当?嬉しいな。…でも子役って賞味期限が早いんだ。子役の演技って普通の役者さんより甘く見られてるから、もう11歳の頃には俺の演技は通用しなかった。」
黙々と俺の話を聞いてくれる十座くん。
やっぱり真面目で芝居への熱が強いだけある。
「ネットでも、堕ちた天才とか、大根役者とか散々書かれてた。…けど、そんな時俺、父親に助けられたんだ。」
「毎日学校終わりに演技指導してもらって。自分なりにも父のアドバイスを反復したりした。やっぱり父は凄かった。」
「お陰で今は活躍出来ているし、父に感謝と憧れを抱くようになった。」
真っ直ぐな目で俺を見つめる十座くん
「十座くんは、昔の俺に似てるんだ。だから父さんみたいに手を差し伸べたくなる。」
そう言うと十座くんは驚いて俺を見る。
「十座くんはきっと伸びるよ。それだけ芝居への情熱があるから。…万里くんの事、見返そう」
ニッと笑うと、十座くんは
十座「ああ。…やってやる。」
と言ってくれた。十座くんの笑顔は初めて見た。
「ふふ、よっし、練習再開しよっか!」
そして俺たちはまた特訓に戻った。
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シキ(プロフ) - らいふらいむさん» コメントありがとうございます。原作と違和感無いかを気にしていたのでそう言って頂きうれしいです。本当にありがとうございます!更新、なるべく早くできるよう心がけます! (2020年5月14日 3時) (レス) id: 3de2eab1b1 (このIDを非表示/違反報告)
らいふらいむ - 原作沿いなんですね!原作全部見てるのに、まるで夢主くんが原作からいたような雰囲気で、スイスイ読めました!違和感なく書けるシキさん尊敬します!すごく面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月10日 1時) (レス) id: 66e224bbaa (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます!なるべく早い更新を心がけます! (2020年4月28日 21時) (レス) id: 3de2eab1b1 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます!更新楽しみにしてます!更新頑張ってください!応援してます! (2020年4月21日 2時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シキ | 作成日時:2019年8月15日 2時