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皆さんはじめまして。
Aと申します。
急で申し訳ないのですが、ここは何処でしょう。
賑わっている通りを見ると、みんな着物ばかり着ている。簪なんかで頭を括って、誰もスマホを持っていない。
『すみません、ここは何処でしょうか?』
「なんだ?お嬢ちゃんどっかのお偉いの子かい?綺麗な身なりして。ここは浅草だよ。あ、さ、く、さ。」
『いえ、そのような者ではないのですが…浅草ですね、ありがとうございます。』
ある団子屋の掛け軸を見るとでっかく「大正」と書かれていた。
なるほどね、私前世で死んじゃったから「転生」ってやつをしたのか、大正に。
うーん…転生はいいとして、住まいとかどうしよう。この容姿と体は変わらないけど、記憶はないし…服も袴だし…。
「お嬢ちゃん」
『はい?』
1人で悶々と考えていると、さっきの男の人が話しかけてきた。
「もう冬だ、日が落ちるのも早い。気をつけるんだよ。」
『態々、ありがとうございます。』
大正の人って知らない人にもこんな言葉かけてくれるんだね、優しい。
日が落ちるのも早いらしいし、宿探さなきゃね。お金あるかな。
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少し時間はかかったけどお婆さんが営んでる小さな山宿に泊めてもらえることになった。
私が宿を尋ねた時に有無を言わさず入れてくれたけど…、この時代夜に厳しいの?
暖かいご飯も、暖かいお風呂も入れてもらってほわほわした気持ちで布団に入る。
転生人生今の所とても幸せ。前世では忙しかったからこうやってゆっくり休めること無かったからなぁ…。もはや寝る事も作業だと思っちゃうくらいだったから相当でしょ。
そう考えながらウトウト眠りについた。
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「ぎゃぁあ゙ぁぁ!!!」
『えっ!、何、怖い怖い怖い』
お婆さんの断末魔のような叫び声に、目をひらき体を起こす。
怖い怖い何事だと思いながら、急いで声の方へ行く。
『お婆さ……え』
そこには暗くてよく見えないが僅かな月光で見えた血溜まりと、立ち尽くす綺麗な男の人。
こんなんじゃ、お婆さんは即死だろう。私は傍の男の人に声を掛けた。
『大丈…ッ』
急に背中に衝撃が走り何が起きたか分からず、思考回路が停止する。
やっと理解したのは凄い速さでその男の人に壁に押さえつけられているということ。
『えっ、あの、大丈夫ですか?何ともないですか?』
「…何が言いたい」
待ってこの人、話通じてる?
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入間(プロフ) - たくあんさん» 非常早いコメントで笑 ありがとうございます! (2020年4月27日 15時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 完結おめでとうございますゥ(´;ω;`) (2020年4月27日 15時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ありがとうございます!! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
入間(プロフ) - えむさん» 初めまして。ありがとうございます!出来れば更新をもっと増やして行けたらなと思います! (2020年1月19日 17時) (レス) id: faea9d84a4 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - 初めまして、突然すみませんこのお花とても面白くて大好きです!また宜しければ更新楽しみにしています! (2020年1月18日 20時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:入間 x他1人 | 作成日時:2019年10月26日 23時