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六十五発敵、撃破。 ページ27

長男 side

「俺たち、勝ったんだ……。」
「って、話してる暇はないぞ、おそ松。ガラスが割れたから水が流れ込んできてる。」
「やっべ、帰るか!」

俺たちは慌てて入口に戻る。

「じゃ、僕はこれで。宝石はもらってくよーん。」
「ああ、助けてくれてありがとう!エリス!!」

分かれ道でエリスと別れ、流れ込む水から必死に逃げる。

「追いつかれるぞ!?」
「十四松、運んでーっ!!」
「あいあい!おそ松兄さん!」

冗談で言ったつもりなんだけど、十四松は触手で全員をつかんで猛ダッシュ。兄ちゃん、お前が一番のラスボスな気がしてきたよ。

「ついたー!」

あっという間に潜水艦に辿りついた。水の流れ込む音がする。さっさとこんなところ出てしまおう。

「A、なにしてるんだ?」
「なに、とは?帰ろうとしているのだが。」

一人用の潜水艦で帰ろうとしているAの手を握り、大きな潜水艦に乗り込む。

「な、おそ松!?」
「Aも、こっちだよ。」

.

.

.

A side


「ふぅー、なんとか脱出できたな!」

浜辺でゴロン、と寝転がったおそ松は、ようやく二年間の苦しい日々が終わった実感を味わっていた。

「ニートたちに、Aさん。助けてくれて本当にありがとう。母さん、二年ぶりの太陽だわー。」
「久々すぎて太陽眩しすぎるくらいだよ。」
「母さんたちとけないでよー?」
「それはないわよ!」

あはははは、と笑い合うおそ松たち。見ていると、心が痛む。

「…A。ごめんな、大切なネックレスを俺たちのために。」
「構わない。いつまでも過去にとらわれていては、いけないからな。」
「なあ、A。」
「なんだ?」

おそ松は、私に手を差し出す。握手のようだ。

「俺んち、こいよ。」
「…は?」
「帰っても一人だろ?復讐も終わって、目的もない。だから、俺んち来て、幸せに、平和に暮らそう。」
「あ、や、だが、……。」

チラ、とおそ松たちの両親を見ると、目が合い、ニコリと笑いかけられる。

「『母さん』と『父さん』は、大歓迎よ。」
「……うん。」

頷いた瞬間、六子たちが私に突撃してきた。

「やっほーい!やったな!」
「ずっと一緒だぜ!カラ松girl!」
「助けてくれて本当にありがとうね。」
「猫見に行こうよ。」
「野球しよう!」
「いやいやデートしようねっ!」


…私の復讐生活は、

母の形見を失い、

家族を手に入れることで、終わったのだった。

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つくも - 小説の内容も凄く良かったです。 そんなことより作者様の性格が好きです。飲みましょう。 (2016年4月24日 20時) (レス) id: 1d88017be7 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ミニタリーさん» コメントありがとうございます。私もマフィア松大好きです! 応援ありがとうございます^^* (2016年2月4日 20時) (レス) id: 4ee870cd55 (このIDを非表示/違反報告)
ミニタリー(プロフ) - 完結おめでとうございます!作品を見させていただきましたが、とても面白かったです^ ^マフィア松が好きなので癒されました♪( ´▽`)これからも頑張って下さい! (2016年2月4日 19時) (レス) id: f888c747b5 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - フイカさん» 指休憩させなきゃ^^; コメントありがとうございました!頑張ります^^; (2016年1月14日 21時) (レス) id: 4ee870cd55 (このIDを非表示/違反報告)
フイカ - 一気に完結するとはびっくりしました!とっても面白かったです!指を休ませてあげた方がいいので?これからも頑張ってくださいね (2016年1月14日 20時) (レス) id: 4d7f4d57cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユナ x他1人 | 作成日時:2016年1月12日 22時

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