（４９）大貴side《過去編》 ページ9
大貴「…行ってきます！」
転校してから半月位が経ったある日。
行ってらっしゃい、という優しい母の声を背に聞きながら行く宛は……勿論無い。
何しろ、親に心配をかけたくなくて
「友達の家に遊びに行ってくる」なんて嘘をついたのだから当然だ。
大貴「どこ行こっかな…」
近くの駄菓子屋…は、この前行ったし
ここから少し離れた所にあるショッピングモールは、前に1人で行って迷子扱いをされた事がある。
…あの時は、本当に大変だったんだから。
大貴「…ほんと、どこ行こうかな」
もう暇を潰せる所が無い。
どうしようか、
はぁ…と小さなため息をついた時
__ふと、小さな公園が目に入った。
大貴「公園、か」
そういや公園なんて久しぶりだな
最後に行ったのは…幼稚園の頃だったか。
あの時は、近所の友達といっぱい遊んだなぁ…
なんて思いながら、自然と足はその公園へと向かっていた。
大貴「…あれ」
誰も、いない。
小さな小さなその公園には
ぽつん、とブランコと砂場があるだけだった。
ふと周りを見渡してみると、ここから少し離れた所にまた公園があるのが見えた。
ここよりも、もっともっと広い公園。
そこでは沢山の子供達が楽しそうな声をあげ、様々な遊具で遊んでいた。
…なのに、この公園には誰もいない。
そんなの、当たり前だ
あっちの公園の方が広くて、賑やかで、沢山の遊具があるのだから。
けど俺は、こっちの小さな公園の方が好きだと思った。
…いや、正しくは
�犲�分に似ている�瓩隼廚辰燭�らかもしれない。
この公園は、
地味で、静かで、つまらない場所。
俺は、
地味で、静かで、つまらない人間。
大貴「…一緒じゃん」
フッと自嘲気味に笑い、静かに砂場へ腰を下ろす。
そして、大きな砂の山を一つ作り、そのテッペンに小さな木の枝をさした。
�犹格�し��
昔、よくやった遊びだ。
2人以上で順番に砂の山を掠め取っていき、木の枝を倒した人の負け…という、なんとも簡単なルールだが
あの頃、友達とほぼ毎日この遊びをして楽しんだものだ。
そして俺は、1人でその山をあの時の様に掠め取っていく。
すると山はどんどん小さくなっていって…
ぱたんと枝が倒れた。
…すっげぇ、つまんない
そう思い、木の枝を遠くへ投げようとした時だった。
「…倒れちゃったね」
突然後ろから、そんな声が聞こえたのは。
（５０）大貴side《過去編》→←（４８）大貴side《過去編》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2857人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゅあ - 最近この神作を知って見させてもらっています！更新頑張ってください！ (2023年4月27日 18時) (
レス) @page6 id: 46ea0cb306 (このIDを非表示/違反報告)
４６猫ー０９２４ー - 今更この神作を発見致しました！更新がんばってください。 (2019年5月12日 14時) (レス) id: 8fa9dca0b7 (このIDを非表示/違反報告)
山田愛 - めっちゃおもしろかったです！次の更新楽しみにしてます！頑張ってください! (2019年1月14日 22時) (レス) id: 29cca44548 (このIDを非表示/違反報告)
未央 - すごい面白いです！続きお願いします！ (2018年11月18日 14時) (レス) id: 71bdc0414f (このIDを非表示/違反報告)
柊羽 @.元#侑佳(プロフ) - このお話、読んでいてとても楽しいです！！続きがすごく気になります！大変だと思いますが、頑張ってください(`・ω・´)ゝ (2018年11月3日 22時) (レス) id: 231fefb769 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Non. x他1人 | 作成日時：2017年10月15日 11時
