雨に降られ…14 ページ14
ザーザーとバケツをひっくり返した様な雨が降る。
昨日、総悟君がいる時に降り始めた雨は止むことは無く一晩経った今でもまだ降っていた。
(ピンク色に、黒…黄色の水玉模様…あ、あの天パの人がさしてるビニール傘穴空いてる)
入り口に寄りかかりながら、道行く人の傘を見ていた。
様々な色や模様があって面白い。ファッションは着ている人の内側が外側に出たものと聞いたことがあるけれど、傘もそうかもしれない。
ギャルの子は派手な傘、上品そうなオバ様は所々にフリルをあしらった高級ブランドキャネルの傘。小さい子は兎や熊さんなどが描かれた可愛い傘。…若いお兄さん達はビニール傘。
(ーーーあ、)
様々な傘に紛れて、紺色の傘が見えた。そしてそれをさす黒い人影も。
約束通り来てくれた。
ドキドキする胸を押さえながら、一旦店の中に入る。
「ーーよぉ、」
「…いらっしゃい。土方さん。」
あぁ、久しぶりに土方さんと会うからニヤケてしまう。
バレない様にしなきゃ、総悟君にもバレたんだから土方さんにバレるのも時間の問題かもしれないし。
グッと顔に力を入れながら「お久しぶりです。来てくれたんですね」と土方さんに言うと「…雨、降ったからな」…と。
(…うぅ、降ってくれてありがとう)
土方さんの言葉にまた頬が緩みそうになるのを必死に堪えた。
「…今日は何を召し上がりますか?」
「三色団子を頼む」
「はい、分かりまし…」
「それと、」
・
・
「ーーA、ちょっと付き合え」
「………ぇ?」
土方さんの言葉を、うまく頭が回収してくれなくて一瞬だけ真っ白になった。ぼーとする私を見て「…その、今客居ねェみたいだし。話し相手としてちょっと付き合ってくれや」ふいと顔を背けながら言う土方さん。
耳がちょっと赤くなっていて…。
(ーー期待させないでくださいよ)
なんでそんな事を言うの。なんで耳赤くなってるの。しかもなんでいつも呼んでくれないのに、私のこと名前で呼んだの。
「…土方さんが良いのなら、私もお話ししたい、です。」
「俺が誘ってんだから、ダメな訳あるか」
優しく笑う土方さん。その笑顔に胸がギュゥとなった。
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紅華(プロフ) - 雪穂さん» 禿げちゃいましたかー笑 私は雪穂様からのコメントが嬉しくて禿げました笑笑 (2017年9月17日 20時) (レス) id: c24c6aa26f (このIDを非表示/違反報告)
雪穂(プロフ) - イケメン過ぎて禿げました。笑笑 (2017年9月17日 20時) (レス) id: 35a1bb93a5 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - よしなさん» はい、亀更新となりますが最後まで頑張らせていただきます!コメントと応援のお言葉ありがとうございます!! (2017年9月12日 18時) (レス) id: a1f5dcc952 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 令さん» あわわ、嬉しいお言葉ありがとうございます。どうぞ毛根を抑えながらお読みください!(笑) 更新がんばりますね! (2017年9月12日 18時) (レス) id: a1f5dcc952 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。実はリボーンやワールドトリガーはまだそこまで詳しく無くて…何か機会がありました書かせて頂きたく思います。 (2017年9月12日 18時) (レス) id: a1f5dcc952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅華 | 作成日時:2017年8月25日 17時