アホな女と、アホな男-土方side- ページ30
「…」
「…」
――暫くの沈黙の後、俺は無言で腰を上げAに近づいた。
(…重ねてる、か)
万事屋の言葉が頭の中で反芻される。
目の前にいるのはAだ。あいつじゃねェ…真選組の女中で、アホで、常にポジティブシンキングなんつー言葉を座右の銘に掲げている、他の誰でも無ェ…岸谷A………俺が惚れた女だ。
大きく息を吸い込むと、頭に上っていた血がすぅと下がっていくのが分かった。
汗で額に張り付いた髪をそっと右手で払う。
「………そいつ、頭から冷水浴びたんだよ。頭冷やしてくるっつって物理的に冷やしてやんの。アホだろ」
「…………あぁ、アホだな」
「ったくそんな面倒臭ェ女とっととお引き取ってってくれや」と心底疲れたというような表情を見せる万事屋に「あぁ、分かってる」といい、苦しそうに息をするAの腰と膝裏に手を回しできる限り優しく持ち上げ玄関へと向かう。
扉を閉める直前、相変わらず死んだ魚のような目をしている万事屋へ顔を向け「…色々世話になったな。……あと、悪かった」それだけ告げ扉を閉めた。
「――――そんなアホ女相手にそんな顔するニコチンマヨラーはもっとアホだな」
俺たちが出て行った扉をニヤついた顔で眺めながら、あの腐れ天パが愉快そうにそう呟いていたのを俺は知る由もない。
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「――おい、山崎いるか!」
屯所へ着いてすぐ朝に「今日は一日書類整理だ」と嘆いていた山崎を呼ぶ。俺の声に慌てたように走って来た山崎は俺の腕の中に居るAの姿を見て目を丸くさせた。
「…どうしました副ちょ…ってAちゃん!?ど、どうしたんですか!!?」
「熱出して倒れたらしい。こいつの部屋に布団を敷いてくれ」
「は、はい!!」
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紅華(プロフ) - 閃光の歌姫さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉ありがとうございます泣!!! (2017年12月30日 13時) (レス) id: c24c6aa26f (このIDを非表示/違反報告)
閃光の歌姫 - うおおおお!心理描写とか上手すぎて泣きそうになりました… (2017年12月30日 0時) (レス) id: 873bf975e9 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 舞佳さん» ありがとうございます!twitterでフォローして頂いた方ですよね??コメ欄でも…嬉しいです!泣 土方さんにキュンキュンして頂けて本当に嬉しいです。次回作も頑張ります!!! (2017年12月27日 19時) (レス) id: c24c6aa26f (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - よしなさん» 返信遅れてすいませんでした!!応援ありがとうございます!!無事完結しました!ありがとうございました!! (2017年12月27日 19時) (レス) id: c24c6aa26f (このIDを非表示/違反報告)
舞佳(プロフ) - 完結おめでとうございます!土方さん素敵過ぎてキュンキュンしてしまいました!!次回作も楽しみにしてます!頑張ってください!!! (2017年12月27日 19時) (レス) id: eb455c1ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅華 | 作成日時:2017年6月30日 20時