【銀魂】幸福追求ポジティブ娘【土方十四郎】

顔良し、中身バツ -銀時side- ページ24

(―――面倒くせェ)




その言葉が今、俺の思考の八割を占めている。残りは糖分と結野アナ。

それもこれも原因はこの目の前で大泣きしている女にある訳で…。一先ず万事屋に連れてきたのは良いが一向に泣き止む気配を見せねェし。俺が一体何したっていうだよ畜生。




以前、一度だけスーパーで会った事があり同じ甘党と言う事で特別に名刺も渡してやった。ただそれだけの関係、つまり他人以上顔見知り以下的関係なのになんで気を使って家に連れて来ねェといけないわけ？意味が分からない。そして自分の人の好さに泣けてくる。





「――んで、そろそろ泣き止んだら？」




鼻水を垂らしながら未だ泣いているこいつに、お茶が切れていたから仕方なく苺牛乳を出せば「ずいまぜん」と言いそれをグビグビと飲み干した。




「……落ち着きました」


「そりゃ良かった。」



「ご迷惑かけてすいませんでした。えっ…と、坂田さん？」


「名字で呼ばれんのは慣れてねェから、銀さんとか銀ちゃんとか呼んでくれや」




そう言うと「じゃあ銀さんで」とはにかむ目の前の女。泣いてる顔はグチャグチャだったが、笑えば結構見れる顔である。…と言うか普通に美人だなこいつ。



「……」


「痛っ！……えっ、ちょっとなんで行き成り頭叩くんですか！暴力反対！」


「うるせェ！なんで俺の周りにはこう顔が良くて中身が残念な奴ばっかなんだよ！！」


「…それ褒めてるんですか、貶してるんですか」




ゴリラと言い、ストーカーと言い、色気より食い気のチャイナ娘と言い…終いにはこの女と言い…。
神様俺なんかしたかよ。普通の美人に会わせてくれよ頼むからさ。




「………あの、大丈夫ですか。死んだ魚の目がもっと死んでるんですけど。腐り始めてるんですけど」


「それでお前、なんで泣いた訳」



「え？いきなりですか？？しかもあたしの話無視？？」



「良いからとっとと答えろ。とっとと答えて早く出てけ。」



「そんなに追い出したいんなら、とっとと追い出せばいいじゃないですか…」



「ここまで世話してやって理由も聞かずに帰すとか、モヤモヤすっから絶対ェやだ」

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