【銀魂】幸福追求ポジティブ娘【土方十四郎】

覚悟の準備 ページ12

少女漫画とかでは良く‟夕焼けが綺麗な海岸で”とか、‟放課後の学校の屋上で”とかそう言うロマンティックな所で告白している事が多い気がする。

けど実際にはどうだろうか…。まず学生じゃなから屋上は無理でしょ。それに海岸もなぁ…そこに連れていくまでに時間が掛かりそう。



(…あぁー、難しい)




そもそも人生の中で告白とかそんなにするもんじゃないし、分かんないよ！！沖田さんは自分で話しふっといたくせに面倒くさくなってそうそうに逃げるしさぁ！！




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「何百面相してんだ？」


「え？…ひっ、土方さん！？」




後ろから突如聞こえた声に振り返ると、マスク姿の土方さんが私を見下ろす様に立っていた。



「ちょ、寝てなきゃダメじゃないですか！」

「トイレ行って来たんだよ、それ位いいだろ。それにもう熱も殆どねぇし」




トイレは仕方のない事だけど、熱が下がったからと言ってこんな所に着流し姿で長くいたらまた風邪が悪化してしまう。そう思い「トイレが済んだなら早く部屋に戻ってください」と言いながら彼の背中を押すと、無意識に先ほどの彼との抱擁を思い出し顔が熱くなった。





あの時は土方さんに抱きしめられた事よりも、土方さんが言ってくれた言葉の方が嬉しくて。

恥かしさとかそう言うのを意識しないまま、ただただ嬉しさで思わず彼の肩を濡らしてしまった。



今考えればあれはどういう意味があったんだろう。
私の事を心配して？それとも慰めるつもりで？？―――それとも、




(……いやいやいや、自惚れるのは良くない。当たって砕けた時の致命傷が深くなるだけ)





土方さんが私を抱きしめてくれた理由が、私の都合のいい想像通りだったらきっと泣いて喜んだだろう。けれど、彼の本当の気持ちは分からないし彼の気持ちを自分の都合の良い様に解釈してもいけない。






今私がすることは、土方さんに振り向いてもらう事。そして玉砕しても良いからこの気持ちに終止符を打ってスッキリさせること。…出来れば玉砕はしたくないけど。






(…頑張ろう！)







背後では赤く綺麗な夕焼けが、まるで私の背中を押しているかのように淡い光を放っていた。

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