重なる影-沖田side- ページ44
‟―――好きになっちゃったもんは仕方ないです”
そう言って目の前の女はヘラりと笑った。
今まで土方のヤローを好きになった女はうぜェことに山ほどいる。
けれどその殆どがあの見てくれに騙された阿保な雌豚であって、……俺もこいつはそんな女どもの１人なんだと勝手に解釈していた。
だからもしこいつが土方の事を好きだと認めれば、良い暇つぶしの道具になる。そんな軽い気持ちで聞いたっつーのに……
(―――重なっちまうじゃねーかィ)
土方に惚れていると言った、目の前の女。真選組の女中こと岸谷Aの表情はどこか見覚えがあって。苦労するぞ、なんて…思わず余計な事を言っちまった。
しかし女は、目を細め‟好きになってしまったものはしょうがない”と…。
その姿が余計にあの人に重なって――。
‟そーちゃんは私の大事な弟”
「…っ」
脳裏に焼き付いて離れない、あの人の声と思い。大好きで大切で、幸せになって欲しかった。苦労をかけた分幸せになって、欲しかった。
.
「…おきた、さん？」
「…っ！な、なんでィ」
蘇ったあの日の記憶の中に響いた姉上とは違う声にハッと意識を戻せば心配そうに俺を見るAさんがいた。
頬を伝うものに気付いて、急いで拭おうとすれば、「……目、腫れちゃいますよ」と手を抑えられ変わりに白いハンカチを当てられる。
「……何も聞かねェーんですかィ」
いきなり目の前で大の男が泣いたのに、何も聞かずハンカチを差し出すこいつにポツリと呟くと、「言いたくないんでしょうから聞きませんよ。ま、胸くらいなら貸しますけど」なんてクスリと笑う。
――――――その笑顔が、またあの人と重なって。
「……心底ムカつく女でィ」
「………その女の胸で泣いているのは誰です？」
図々しいくせに、淑やかじゃねェくせに……あの人と正反対のはずなのに、この女の胸を思わず借りてしまったのはきっと。
「あなたはまだ18歳なんだから、時には誰かを頼らなきゃ」
「うるせェ」
「この状況では何言われても怖くありません」
芯のある所と、誰にでも優しずぎる所が似ているからだ。
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桜月(プロフ) - 続きが気になります！続き書いて下さい！ (2017年6月17日 21時) (
レス) id: 1574d4bc36 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 吉望さん» ありがとうございます！！！いっぱいキュンキュンしちゃってください！これからも頑張ります！！ (2017年5月3日 21時) (レス) id: a1f5dcc952 (このIDを非表示/違反報告)
吉望(プロフ) - うわぁぁぁぁぁぁ↑もう土方さんにキュンキュンしてます！不器用なところが良いですよね^^これからも頑張ってください！ (2017年3月22日 1時) (レス) id: 08a24554a0 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 咲良さん» 嬉しい！来てくれてありがとう！私もアイラブ土方さんよ(*´∀｀*)♪ 頑張って書くね！ (2017年1月28日 15時) (レス) id: c24c6aa26f (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 久しぶり〜！！宣伝見て来たよ！アイラブ土方さんだからチョー嬉しい！ (2017年1月24日 20時) (レス) id: cb0c504161 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅華 | 作成日時：2017年1月2日 20時
