正直な気持ち ページ43
「きょ、今日は起きるの早いですね」
「なんか面白そうなことが起きそうな予感がしたもんで」
ニヤリ、目の前で悪魔より恐ろしい笑みを浮かべる沖田さんは心底楽しそうに私を見下ろす。
何その予知能力的なの。怖いんですけど。
ヒクリと頬が引きつるのを感じつつ「……で、面白そうなことはありましたか??」なんて敢えて聞いてみる。
すると案の定「ありやしたよ。現在進行形で。」と私の手元のチョコとメモを指さし再び悪魔の笑みを見せた。
「……やっぱり惚れてんじゃねェーですかィ。あのマヨラー野郎に」
「…っ、ちがッ―――」
‟違う”咄嗟にその言葉を口に出そうとしたのは沖田さんにバレたらマズいと思ったからか。けども、もうこの際否定してもしょうがないんじゃないか…。と言うか逆に否定したらしたでネタにされそうである。
ってか、この気持ちに気付くきっかけをくれたのは誰でもない目の前でゲスい笑みを浮かべている沖田さんだ。
「―――ちがく、は無い。みたいですね、残念ながら」
もう、この際言ってしまおう。笑われようが、ネタにされて金をむしり取られようが。土方さんにチクられようが…その時はその時だ。
「…惚れちゃったみたいです。あのマヨラー野郎に」
苦笑いと共に肯定の言葉を口にした。沖田さんの足元に視線を落としながら言ったから今彼がどんな顔をしているのかは分からない。
きっとさっきよりゲスい魔王みたいな笑顔を浮かべてるんだろうな。なんて思いつつ下げていた目線を上に持ち上げる。
しかしそこで見えたのは、想像していたよりも…と言うか想像とは真逆の複雑そうな顔をした沖田さんだった。眉間に皺を寄せ、ぼそりと呟く。
「――――苦労するぜ」
「…へ?」
「あの野郎に本気で惚れてんなら、テメェの苦労は目に見えてらァ」
どこか遠くを見つめ一瞬だけ険しい顔つきになった。
なんで、とは聞けない雰囲気のなかまだ冷たい風が私たちの間を通り過ぎる。
「…そうかもしれましんね。けど――好きになっちゃったもんは仕方ないです」
通りずぎる風に便乗してぽつりと漏らした私の言葉に沖田さんは切なそうに紅い瞳を揺らした。
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桜月(プロフ) - 続きが気になります!続き書いて下さい! (2017年6月17日 21時) (レス) id: 1574d4bc36 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 吉望さん» ありがとうございます!!!いっぱいキュンキュンしちゃってください!これからも頑張ります!! (2017年5月3日 21時) (レス) id: a1f5dcc952 (このIDを非表示/違反報告)
吉望(プロフ) - うわぁぁぁぁぁぁ↑もう土方さんにキュンキュンしてます!不器用なところが良いですよね^^これからも頑張ってください! (2017年3月22日 1時) (レス) id: 08a24554a0 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 咲良さん» 嬉しい!来てくれてありがとう!私もアイラブ土方さんよ(*´∀`*)♪ 頑張って書くね! (2017年1月28日 15時) (レス) id: c24c6aa26f (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 久しぶり〜!!宣伝見て来たよ!アイラブ土方さんだからチョー嬉しい! (2017年1月24日 20時) (レス) id: cb0c504161 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅華 | 作成日時:2017年1月2日 20時