【銀魂】不幸体質ポジティブ娘【土方十四郎】

言葉の意図 ページ42

眠い目をこすり、体をおこす。
チュンチュンと可愛らしく鳴いている雀の親子に和らげな気持ちを覚えながら、いつもと同じ様に仕事着に着替えた。



(さてさて、今日はどんな手を使ってあのクソガキを起こそうか。)



ーー数分後に迫る、栗色の少年との戦いを思い浮かべふぅとため息を漏らしながら自室から廊下へと続く襖を開けて歩みを進めたとき、


「……ん？」



不意に私の視界に入ったモノ。

小さな紙切れと、これはーー。


「…チョコだ」


ころんとした某人気10円チョコが２つ、小さな紙切れとともに置かれていたのだ。


この紙切れが誰からなのかはすぐに予想がついたが、このチョコは…。いや、紙と一緒に置かれているってことはあの人が置いたのだろうけど。



不思議に思い、その紙を手に取り達筆なソレを読むと。


“んじゃ、Aも無理すんじゃねーぞ”


小さな紙切れにはそんな文字が…。

(何、これっ…)


確かあたし昨日メモに土方さんが倒れても看病してあげますから的な事書いたよね？…その返事がコレって。


(ーーっ、何なのよもぉー！)



胸がぎゅっと締め付けられる。
思わず紙を握り締めたままその場にしゃがみ込み膝に顔を埋めた。


ずるい、何これ。土方さんのくせに、鬼のくせに、…


(…、これだけで暫くは元気でいられるよ。)



この文字にどんな意図があるのかなんて馬鹿な私には分からない。




(次土方さんと会ったら絶対顔赤くなるやつだコレ。)




なんてこの事を考えながら熱を持った顔を膝からあげた。

…すると、私の視界のど真ん中に表れた栗色の毛。



「……なんでいんの？」


「面白そうな事してる雌豚が居たもんで」

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