襖の向こう側-土方side- ページ32
「どうした」
襖から顔を出すテツに聞けば「お茶をお持ちしました」と言い、俺の前に湯気のたつそれを置いた。
…ん?ちょっと待て。
「…あいつはどうした?」
俺があの女に茶をくれと言ったのはまだ記憶に新しい。なのに何故テツが持ってくるんだ?…いや、別に茶なんて誰が持ってこようと同じだが。
するとテツはAさんに頼まれました、…と。
「なんかトイレットペーパーが切れたとか言って急いで出て行きましたよ」
「…そうか」
トイレットペーパーが切れた…ねぇ。
ふと頭に浮かんだのは慌てた様子で外へと駆けて行くあの女の姿で、ーー思わず口角が上がりそうになったのを慌てて茶を飲む事で誤魔化した。
しかし、そこでテツからの謎の視線に気づき何だ?と首を掲げると、
「……副長って、やっぱり噂通りAさんと付き合ってるんすか!?」
「…ゲホッ!ゴホッゴホッ……なっ!?」
こいつ何言ってやがんだ!?
突然のその言葉に、茶が変なところに入って思わずむせ込んでしまった。
大丈夫ですか!?と言って俺に駆け寄るテツだが口元がにやけてやがる…。
(…なんで、こいつまでんなしょーもねぇ事。)
総悟のやつに変な事吹き込まれたのか?それとも…、
「…Aさんじゃなくて俺がお茶を持ってきた時、副長残念そうな顔してたっス。」
「…」
俺の思考を遮る様に放たれたその言葉に、俺は今どんな顔をしているんだろう。
(……きっとひでぇ顔してんだろうな。)
鏡を見なくても分かる、きっと色んなもんが入り混じった顔をしてるだろう。
総悟だけではなく、テツにもんな事思われちまいうたァ……。
「……ハァ」
カチリ、自分を落ち着かせる為再びタバコに火をつける。
テツが開けた襖の間から、小雨が降り始めたのが見えた。
「…おい、あいつ傘持って行ってたか?」
「え?いや、持って行ってないと思うっす」
「…そうか」
タバコを加えたまま腰を上げれば、どこに行くんすか?と。
「…タバコがきれたから買いに行ってくる」
ーーそう言う俺の手には傘が2本。
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桜月(プロフ) - 続きが気になります!続き書いて下さい! (2017年6月17日 21時) (レス) id: 1574d4bc36 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 吉望さん» ありがとうございます!!!いっぱいキュンキュンしちゃってください!これからも頑張ります!! (2017年5月3日 21時) (レス) id: a1f5dcc952 (このIDを非表示/違反報告)
吉望(プロフ) - うわぁぁぁぁぁぁ↑もう土方さんにキュンキュンしてます!不器用なところが良いですよね^^これからも頑張ってください! (2017年3月22日 1時) (レス) id: 08a24554a0 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 咲良さん» 嬉しい!来てくれてありがとう!私もアイラブ土方さんよ(*´∀`*)♪ 頑張って書くね! (2017年1月28日 15時) (レス) id: c24c6aa26f (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 久しぶり〜!!宣伝見て来たよ!アイラブ土方さんだからチョー嬉しい! (2017年1月24日 20時) (レス) id: cb0c504161 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅華 | 作成日時:2017年1月2日 20時